1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650877
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
妹尾 学 日本大学, 理工学部, 教授 (40013099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 穣 日本大学, 理工学部, 講師 (80233188)
澤口 孝志 日本大学, 理工学部, 助教授 (20102551)
滝戸 俊夫 日本大学, 理工学部, 教授 (30102552)
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Keywords | 両親媒性物質 / 三元ブロック共重合体 / 自己組織化 / テレケリックオリゴマー / プロピレン / エチレンオキシド |
Research Abstract |
新規の高分子量両親媒性物質として,A-B-A型三元ブロック共重合体(Aは親水性,Bは疎水性ブロック)を合成し,それの水中での自己組織化を調べることを目的として,まず,A-B-A型三元ブロック共重合体の合成を行った.原料となる両末端に二重結合をもつ疎水性オリゴマーを得るために,新たに開発された高度制御熱分解法によりポリプロピレンの熱分解を行い,両末端にイソプロペニル基をもつテレケリックオリゴプロピレンを合成した.数平均分子量Mnは10^3程度,末端官能基度1.8のものが得られた.次に,ヒドロホウ素化反応を行い,良好な収率で両末端のイソプロペニル基をヒドロキシル基に変換した.得られた両末端ヒドロキシル化オリゴプロピレンの数平均分子量は,Mn=1.07×10^3である.最後に,この試料のトルエン溶液に耐圧ガラス容器内でエチレンオキシドを圧入し,CH_3ONaを触媒として,130℃で反応させた.ほとんど定量的に反応は進行し,生成物を高温GPCで分析したところ,主ピークは出発試料より高分子量側ヘシフトし,Mn=1.46×10^3を与えた.同時に低分子量側に小さなピークが出現したが,これはエチレンオキシドのホモポリマーと思われる.面積比からホモポリマーの生成比は15%程度で,残りは目的物で,オリゴプロピレンの疎水性ブロックの両端に,親水性のエチレンオキシドが8〜10個付加した,両親媒性のA-B-A型三元ブロック共重合体の合成に成功した.これまでA-B型の二元ブロック共重合体は多く知られているが,三元ブロック共重合体の例は非常に少なく,水中での自己組織化による凝集状態に興味がもたれ,現在,反応条件の検討とともに,得られた三元ブロック共重合体の凝集構造を調べている.
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