2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650877
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
滝戸 俊夫 日本大学, 理工学部, 教授 (30102552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 穣 日本大学, 理工学部, 講師 (80233188)
澤口 孝志 日本大学, 理工学部, 助教授 (20102551)
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Keywords | 両親媒性物質 / トリブロック共重合体 / ポリプロピレン / ポリエチレンオキシド / テレケリックオリゴマー / 自己組織化 / ミセル / 超分子会合体 |
Research Abstract |
目的とする高分子量両親媒性物質は、オリゴプロピレンをセンターブロックとし、その両末端にオリゴエチレンオキシドを有するノニオン系両親媒性トリブロック共重合体である。ここでポリプロピレンから末端ビニリデン官能度(一分子当りの末端ビニリデン基の平均数)の高いテレケリックオリゴプロピレンの高効率調製法の確立が重要となることから、まずどのようにして官能度を2に近づけられるか検討した。その結果、ビニリデン官能度は、試料の初期分子量が高くなるほど2に近づくことが確認され、またポリプロピレンだけでなくポリプロピレン含量の高い廃棄物からも高収率で得られることが分かった。次にヒドロホウ素化法によるイソタクチックオリゴプロピレンのヒドロキシル化条件を検討した結果、試料のオリゴプロピレンを反応装置中で減圧加温乾燥し、ヒドロホウ素化試剤の失活を抑制することによってほぼ定量的に進行することが見出された。シンジオタクチック試料のヒドロキシル化の反応性はイソタクチック試料よりも高く、結晶化度の相違によると考えられる。得られた両末端ヒドロキシル化オリゴプロピレンの末端ミクロ構造をNMRにより明らかにした。そして、ナトリウムメトキシド触媒を用いた両末端ヒドロキシル化イソタクチックオリゴプロピレンのヒドロキシル基を開始点とするエチレンオキシドの開環重合によって、目的のトリブロック共重合体を合成した。溶媒分別とGPC分取により、Mn約2000、分散度約1.1、プロピレン/エチレンオキシドユニットモル組成比1/1.4の共重合体を得た。トリブロック共重合体の水分散系での表面張力測定から、0.002g/l付近に臨界ミセル濃度が存在し、会合体の平均粒径は150nm程度となり、分子鎖長と比較してベシクル様の中空ミセルの形成が示唆された。このミセルは濃度の増加とともに段階的に高次会合する傾向がみられた。SEMによる観察もこれらの結果を支持した。
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[Publications] T.Sawaguchi,M.Seno: "Chemical recycling of commodity vinyl polymers : selective preparation of end-reactive oligomers by controlled thermal degradation"Polymer International. 49. 921-925 (2000)
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[Publications] T.Sawaguchi,M.Seno: "An effective method for selective formation of telechelic oligomers by controlled thermal degradation of polypropylenes"Polymer Degradation and Stabilization. (in press). (2001)