1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650878
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小柳津 研一 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (90277822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 英俊 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063461)
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Keywords | 酸素4電子還元 / 窒素還元 / 多電子移動 / 窒素錯体 / 架橋配位 / ジチオカルバマト / ニオブ錯体 / アジン |
Research Abstract |
本研究は、機能錯体系による窒素の分子活性化を、基質分子変換に組合せるための反応場構築を目的とする。具体的には、構造明確な同時多電子移動錯体を対象に、窒素分子との反応によりμ-dinitrido型錯体を形成することが、窒素6電子還元に基づく芳香族分子の酸化重合に必要な過程であるとする着想の実証を目的とする。 窒素は殆どの遷移金属に配位するが、窒素架橋配位錯体の具体例は少ない。本年度は、既に代表者らにより確立されたμ-dioxoバナジウム複核錯体を利用する酸素4電子開裂法を窒素開裂に拡張するため、μ-dinitrido型錯体の具体例を探索、開裂過程を電極反応により観測できる錯体系として、ジエチルジチオカルバマトを配位子とするニオブ錯体系を選択し、単核錯体([Nb(dtc)_2Cl_3],[Nb(dtc)_4])および窒素架橋複核錯体[(dtc)_3NbNNNb(dtc)_3])を合成した。電解質溶液において、ニオブ単核錯体が可逆的な酸化還元を示すこと、条件によりNb(III)〜Nb(V)までが関与した一段階2電子過程を示すこと、また、Nb(III)は窒素分子と反応してμ-dinitorido型錯体を生成することなどが解明された。 次いで、分子変換系への展開を目的として、架橋配位窒素と種々の芳香族アルデヒドとの反応が、アジンを効率高く生成することを明らかにした。以上の結果から、次年度において選択された錯体系を利用して、開裂窒素を利用した高分子合成に展開させるための手懸りが得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Tsuchida,K.Oyaizu,E.L.Dewi,T.Imai,F.C.Anson.: ""Catalysis of the Electroceduction of O_2 to H_2O by Vanadium-salen Complexes in Acidified Dichloromethane","Inorg.Chem.. 38. 3704-3708 (1999)
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[Publications] K.Oyaizu,A.Haryono,Y.Nishimura,K.Yamamoto,E.Tsuchida,: ""Molecular Structure of a μ-Oxo Chromium-Irom Complex:Rare Example of a Crystallographically Characterized μ-Oxo Heterometallic Porphyrin","Bull.Chem.Soc.Jpn.. 72. 1781-1784 (1999)
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[Publications] K.Oyaizu,K.Yamamoto,Y.Ishii,E.Tsuchida,: ""Synthesis and Characterization of Nickel Dithiocarbamate Complexes Bearing Ferrocenyl Subunits","Chem.Eur.J.. 5. 3193-3201 (1999)