2000 Fiscal Year Annual Research Report
ガチオン性白金錯体触媒による1,6-エンイン類の新規骨格再構成反応の開発
Project/Area Number |
11650881
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 祥雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 秀一 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00241547)
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Keywords | 白金錯体 / 1,6-エンイン / 骨核再構成反応 / メタセシス |
Research Abstract |
同一分子内に二重結合と三重結合を有する1,6-エンイン化合物の分子内エンインメタセシス反応は、見かけ上アルケンのアルキリデン部分がアルキンの末端炭素上に移動するため、一般にアルキリデン移動反応と理解されている。一方、アルケンのアルキリデン部分が炭素-炭素三重結合間に移動する異常エンインメタセシス反応が起こる場合は非常にまれであり、あまり報告がない。本研究者はすでにカチオン性白金-dppp錯体(dppp=Ph_2PCH_2CH_2CH_2PPh_2)が1,6-エンイン化合物の異常エンインメタセシス反応を触媒し、1-ビニルシクロペンテン化合物を選択的に与えることを見出している。中性白金錯体はこの反応を触媒しない。異常エンインメタセシス反応による炭素-炭素結合の異常生成は、炭素-13、および/または、重水素標識化合物を出発原料として反応に用いることにより間違いなく確認することができた。異常エンインメタセシス生成物は、炭素-炭素二重結合上に置換基を持たない1,6-エンイン化合物から非常に温和な実験条件下、選択的に生成してくることがわかった。一方、アルキリデン部分がアルキン末端炭素上に移動して生成する正常生成物は、アルケン部分に置換基を有し、かつアルキン部分に置換基を有しないエンイン化合物から得られることが判明した。基質としての1,7-エンイン化合物を含めこの反応の適応性、および反応機構について研究した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Tsukada,S.Sugawara,Y.Inoue: "Benzannulation from Alkynes and Allvl Tosylates via a π-Allylpalladium Intermediate"Organic Letters. 2.5. 655-657 (2000)
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[Publications] K.Uemura,Y.Inoue: "Cationic Palladium Complex-catalyzed Carbonylation of 2,3-Dien-1-ols to 1,3-diene-2-carboxylic Acids"Applied Organometallyic Chemistry. 14. 8-13 (2000)
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[Publications] N.Tsukada,T.Sato,Y.Inoue: "Palladium-catalyzed [2+2] cycloaddition of allylic acetates and norbornene"Tetrahedron Letters. 41. 4181-4184 (2000)
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[Publications] M.Akao,S.Sugawara,K.Amino,Y.Inoue: "Regioselective hydroesterification of 1-alkynes catalyzed by palladium-phosphine"Journal of Molecular Catalysis A : Chemical. 157. 117-122 (2000)
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[Publications] N.Tsukada,T.Sato,Y.Inoue: "Rhodium-catalyzedallylation of st with allyl tosylate"Chemical Communications. 2001. 237-238 (2001)