1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドロキサム酸基を含む人工ペプチドの金属イオン錯体化による構造制御と機能の実現
Project/Area Number |
11650884
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
秋山 雅安 東京農工大学, 工学部, 教授 (20016728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪内 彰 東京農工大学, 工学部, 助手 (40272637)
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Keywords | ヒドロキサム酸 / ペプチド / 錯体 / 機能物質 / ヒスチジン / イミダゾール / 加水分解 |
Research Abstract |
1 三方向ペプチド性トリヒドロキザム酸の金属イオン錯体化による構造制御 オリゴアラニルユニット,H-(Ala)n-β-(HO)Ala-OMe(n=1,2,3),がニトリロ三酢酸から3方向へ伸長したトリヒドロキサム酸配位子を合成した。これらの配位子は鉄(III)と錯体化し定まった特定の構造をとること、また、成分ぺプチド中のアラニン残基の数およびキラリティーの違いが鉄錯体の立体配置やペプチド部分の立体配座に大きく影響を与えることを見い出した。 2 酵素類似機能物質の合成と基礎的性質の評価 1)ヒスチジン含有のモノ-N-ヒドロキシペプチド保護体、Ac-His(Bom)-Ala-Ala-β-(BnO)Ala-Ala-OHを成分ペプチド単位として合成した。トリス(2-アミノエチル)アミンにこの保護ペプチドを縮合した後、脱保護、精製し三方向ペプチド性トリヒドロキサム酸、[Ac-His-Ala-Ala-β-(HO)Ala-Ala-NHCH_2CH_2]_3N(1)を得た。この化合物は鉄(III))と6配位8面体型の錯体を生成し、ペプチド末端の3つのイミダゾール基が特定の空間に配置されること、また、CDスペクトルの測定からΔ型の立体配置を優先的にとることを明らかにした。 2)触媒基であるイミダゾール基の近傍に基質取り込み部位を位置する試みとして、フェニルアラニンを導入した成分ペプチド,Boc-Ala-Lys-Phe-Ala-His-Ala-Ala-β(BnO)Ala-NHMe,を合成した。ニトリロ三酢酸に結合して三方向ペプチド性トリヒドロキサム酸の合成を行っている。 3 ペプチド性トリヒドロキザム酸の機能評価 2-1)で得られた化合物1の鉄錯体は、p-ニトロフェニルアセテートおよびp-ニトロトリフルオロアセトアニリドの加水分解反応において反応を加速することを明らかにした。
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