1999 Fiscal Year Annual Research Report
環状リンイリドの特異反応を機軸とするセスキテルペンの合成
Project/Area Number |
11650889
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山本 巌 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 哲也 信州大学, 繊維学部, 助手 (90209099)
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Keywords | 環状リンイリド / 不斉補助基 / ジアステレオ選択性 / シクロヘプテノン / tandem Michael-Wittig 反応 |
Research Abstract |
これまでに、α,β-不飽和エステルと5員環ホスホニウムイリドとの反応は、立体選択的に連続的Michael-Wittigreactionの様式で進行し、シクロヘプタノン骨格が1ポットで合成できる事を報告してきたが、今回、8-フェニルメンチル基を不斉補助基とする不飽和エステルを用いて不斉シクロヘプタノンの合成を検討した。ジアステレオ選択性は、先ずアキラルなエノエートの反応によりβ-置換基の異なるシクロヘプタノンを合成し、得られたシクロヘプタノン誘導体を(R,R)-2.3ブタンジオールでケタール化し、^<31>P-NMR測定を行った。その結果、いずれの場合もその面積比が1:1で対応するジアステレオ-マ-のシグナルが観測され^<31>P-NMRよりジアステレオ選択性が算出できることを確認した。次に不飽和エステルに8-フェニルメンチルエノエートを用いて反応を行った。その結果、エノエートのβ-置換基がメチル、i-プロピル、n-ペンチルの場合は26〜46%deと若干の選択性が見られたが、β-置換記がフェニル基の場合、88%deと比較的良い選択性を示した。さらに、得られたシクロヘプタノンケタールの単結晶の作成に成功した。X-線結晶構造解析により、主生成物の絶対配置は(3S,4R)-3-フェニル-4-ジフェニルホスフィノイルシクロヘプタノンであると決定した。これらの結果は、現在学会誌に投稿するべく執筆中である。
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