2000 Fiscal Year Annual Research Report
α-ケト酸の還元的アミノ化を利用した立体選択的ペプチド合成法の開発
Project/Area Number |
11650896
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
木瀬 直樹 鳥取大学, 工学部, 助教授 (90177824)
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Keywords | α-アミノ酸 / ペプチド / 還元 / 立体選択的合成 |
Research Abstract |
α-アミノ酸に対応するα-ケト酸をペプチドのN末端に結合させて、α-ケト基の還元的アミノ化を立体選択的に行うことができれば、光学活性α-アミノ酸の代わりにプロキラールなα-ケト酸をユニットとして用いる新しいペプチド合成法となる。このような新しいペプチド合成法の開発を目指して、ペプチドのN末端に結合させたα-ケト酸の還元的アミノ化を立体選択的に行う方法を開発することが本研究の目的である。前年度までの研究結果より、α-ケトアミドを直接還元的にアミノ化するよりも、α-ケト酸をオキシムに変換してからペプチドのN末端に結合させてα-ケトアミドとし、これを還元する方法がより有効であり、還元の方法としては、亜鉛による還元が最もよい結果を与えることがわかった。そこで、ピルビン酸やフェニルピルビン酸をオキシム化してα-オキシム酸とし、これをL-フェニルアラニン1〜4(n)個からなるペプチドのN末端に結合させたものを基質として亜鉛による還元的アミノ化の反応条件を検討した。その結果、添加する酸としてはトリフルオロ酢酸、溶媒としてはテトラヒドロフランが最も良い結果を与えた。また、ペプチド鎖の部分をL-ロイシン(1〜4個)とした基質についても同様に還元をおこなったところ、ペプチド鎖がL-フェニルアラニンの場合と同様にnが1の時、生成物の立体選択性はほとんど見られないが、nが2以上でS体の割合が増加することがわかった。さらに、また、ペプチド鎖の部分をL-プロリンとした基質についても検討したところ、この場合にはnが1の時でもS体が過剰に得られることがわかった。
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