1999 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質に対して認識能を有するシクロファン型分子ボックスの合成とその固定化
Project/Area Number |
11650900
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
柘植 顕彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (80179986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 哲次 九州工業大学, 工学部, 教務職員 (40243985)
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Keywords | 内分泌撹乱物質 / シクロファン分子 / ホストーゲスト化学 / ポリイオンコンプレックス |
Research Abstract |
分子同士の特異的な相互作用に基づく分子認識は生体系における最も基本的な反応である。このような認識過程を有機化学的にアプローチしようとする試みが、近年、数多く行われている。すでに、我々は複数の芳香環を環成分とするシクロファン化合物が、多種多様の有機分子を認識し、その空孔に取り込むことを見いだしている。一方、最近、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)が生体機能に甚大な悪影響を及ぼす可能性が、強く示唆されつつある。代表的な内分泌撹乱物の分子構造は、一個、あるいは二個の芳香環から成る比較的単純な脂溶性の分子であり、分子量も大きくても300あまりである。これらは、従来の有機ホスト分子が認識可能な分子群である。そこで、本研究では、これら内分泌撹乱物質を、効率良く結合することが可能な有機ホスト分子を開発し、それを利用した認織システムの構築を目的としている。箱型ホスト分子(分子ボックス)の基本構成要素として、ピレン環を選択した。 そこで、まずピレン環の4,9位に置換基を導入する手法を開発した。すなわち、ピレン環の平面性、π電子供与性を考慮すると、4,9位で連結する必要がある。そこで、t-ブチル基を保護基として導入したピレンを用いることにより、選択的に4,9位でアセチル化が進行した。これを利用して、アルコール体への誘導に成功した。このアルコール誘導体とベンゼン誘導体から、カップリング反応により、ボックス型のシクロファン化合物を合成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Tsuge et al: "Specific transannular interuction in small-sized cyclophone system"Recent Research Developments in Pure & Applied Chemistry. 3. 47-55 (1999)
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[Publications] A.Tsuge et al: "Diene-Transmissive Hetero Diels-Alder Reaction of 1,5-Diphenyl-1,4-Pentadien-3-one."Heterocycles. 50. 661-666 (1999)
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[Publications] K.Sakata et al: "Characterization,Spectroscopic Properties and Crystal Structure of a Tetruaza[14] annulene Manganese(III) Complex"Synth.React.Inorg.Met-Org.Chem. 29. 265-277 (1999)
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[Publications] T.Moriguchi et al: "Conformational and Intramolecular Hydrogen-Bonding Properties of Substituted Dithia[3.3] metacyclophanes"Chem.Lett.. 167-168 (1999)
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[Publications] T.Moriguchi et al: "Evaluation of Transannular Interaction of [2,3] Metacyclophane-diazonium Tetrafluoroborate and its Dediazoniated Derivatives"J.Chem.Res(S). 78-79 (1999)
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[Publications] A.Tsuge et al: "Synthesis of Small-sized Stilbenophane and Their Transannular Delocalization"J.Org.Chem.. 64. 7246-7248 (1999)