2001 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン高分子錯体の三次元構造構築と電子遷移制御
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11650903
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬川 浩司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50216511)
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Keywords | ポルフィリン / 高分子錯体 / 電子移動 / π-ラジカル / 三重項 / 光誘起電子移動 / 化学酸化 / 光酸化 |
Research Abstract |
本研究は、種々のポルフィリン錯体を高分子化し、その電子遷移に基づく導電性・磁性・光応答性の動的制御を実現しようとするもである。本年度は、秩序配列ポルフィリンオリゴマーのポルフィリンπ軌道間相互作用制御を利用した高効率光誘起電子移動反応系の構築、ならびに、メソ位直結型ポルフィリン多量体πラジカルの合成と物性評価を行った。 昨年に引き続き、center-to-edge型P(V)ポルフィリン2量体に電子供与体であるピレンを結合した分子を合成し、その光誘起電子移動について検討した。その結果、ダイマーの電荷移動励起状態を経由することで、モノマーに比べ電子移動速度が数十倍に加速されること、またブリッジフェニル基をメタ置換した分子ではπ電子系間の相互作用が強く電子移動加速効果が顕著に現れることを明らかにした。 メソ位直結型ポルフィリンのπラジカルアレイについては、ダイマー、トライマー、テトラマーのπラジカルの生成過程と磁気的特性を詳細に検討した。メソ位直結型ポリフィリントライマーπラジカル、ならびに、テトラマーπラジカルでも、ダイマー同様に多重項状態を示すESRスペクトルが得られるが、その信号強度は極めて特殊な温度変化を示すことを明らかにした。また、化学酸化重合によって合成したメソ位直結型ポルフィリンポリマーでも、ポリπラジカルのスピン整列が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)