1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650906
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青木 俊樹 新潟大学, 工学部, 助教授 (80212372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 隆司 新潟大学, 工学部, 助手 (90272856)
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Keywords | 主鎖不斉 / 光学分割 / フェニルアセチレン / 不斉重合 / 分離膜 |
Research Abstract |
1)主鎖不斉高分子膜による高い分離性での光学分割の実現 申請者らは光学活性基を持つジフェニルアセチレンを合成、重合したところ、得られた高分子のCDスペクトルに大きなコットン効果が見られることから、主鎖に不斉が誘起されることを見い出した。以前に一置換アセチレンについての主鎖への不斉誘起は報告したが、この様な二置換アセチレンで大きな主鎖不斉が観測されたのは初めてで興味深い。この新しい主鎖不斉高分子は高分子量で製膜性を有しており、これらより膜を調製し、光学異性体の選択透過性(光学分割能)を調べることができた。その結果、比較的高い選択性が得られた。主鎖不斉の効果があることが示唆された。 但し、この高分子は非常に剛直でその膜はやや脆かったので、柔軟な成分として短いシロキサン鎖を高分子中に導入したところ、製膜性、選択性ともに優れた高分子を得ることもできた。 2)主鎖不斉構造の光学分割への効果の検出 主鎖不斉構造そのものの効果の程度を明らかにするため、側鎖に不斉を持たない主鎖のみに不斉を持つ高分子の合成方法を検討した。第一の方法として水酸基含有フェニルアセチレンをキラルアミンを共触媒として重合したところ、主鎖のみに安定な不斉をもつ高分子を得ることに成功した。第二の方法として主鎖不斉高分子を合成後、側鎖の光学活性基を除去し、主鎖不斉のみの高分子を得ようとしたが、側鎖光学活性基除去後、主鎖不斉は保持されなかった。第三の方法として主鎖に光学純度100%の軸不斉構造を組み込んだ高分子を合成した。
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