1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650915
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
亀山 敦 神奈川大学, 工学部, 助手 (80231265)
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Keywords | 定序性高分子 / リビング重合 / 交互共重合 / オキシラン類 / 分子量 / 分子量分布 / ポリエステル |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで合成が困難とされてきた分子量とシーケンスが共に制御された高分子の合成方法を確立することである。本年度の研究として、オキシラン類と環状カルボン酸無水物とのリビング的開環交互共重合について検討を行った。フェニルグルシジルエーテル(PGE)のような一般のオキシラン類と環状カルボン酸無水物との開環交互共重合において、触媒としてテトラブチルホスホニウムクロリド(TBPC)を用いることにより、重合が副反応なく、リビング的に進行し、分子量が制御されたポリエステルが得られた。また、3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO)や2,3-エポキシプロピオン酸ブチル(BEP)のような電子吸引基の置換したオキシラン類の場合には、触媒としてテトラブチルアンモニウムアセテート(TBAAc)を用いることにより、重合がリビング的に進行し、対応するポリエステルが得られることが分かった。いずれの場合にも、生成ポリマーの分子量分布は約1.1であった。 以上の結果から、第四オニウム塩類を触媒に用いたオキシラン類と環状カルボン酸無水物との開環交互重合による分子量と分子量分布が高度に制御されたポリエステルの合成法を確立した。
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