1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650916
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
蒲池 幹治 福井工業大学, 工学部, 教授 (40028163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 篤 奈良教育大学, 助教授 (50224415)
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Keywords | ラジカル重合 / メータクリル酸アルキル / 生長速度定数 / ESR |
Research Abstract |
申請者らは、これまで、ラジカル重合系の電子スピン(ESR)共鳴法を用いた研究を行い、色々なビニルモノマーの生長末端の観測に成功し、末端の構造、電子状態に新たな情報を提供する事ができた。現在、生長速度定数の決定に目を向けた研究を勧めている。 今年度は、メタクリル酸n-ブチルおよび塩化ビニルの生長ラジカルの観測と生長速度定数の決定を行った。メタクリル酸n-ブチルでは、測定温度は-30から90℃で行い、定常状態を確認後、生長速度定数を決定した。その結果を基に、生長速度定数(kp)に対し、kp=(3.40±0.4)x10^6Exp(22.0±1.0)なる関係がある事を明らかにした。さらに、このデータをPulse-laser-Polymerization法によって得られたデータと比較した処、誤差の範囲て良く一致した。本研究結果は、これまで誤差などで問題となっていたESR法が信頼のできる成長速度定数決定手段になる事を裏付けるものである。この研究成果を踏まえて、これまで測定が困難と言われていた塩化ビニルのESR測定とそれを用いた生長速度定数の決定を行った。その結果,室温で、kp=(5800±140)M^<-1>s^<-1>となった。この値を、回転セクター法で決定された値と比較した。 次年度には、電子スピン共鳴法の精度や確度を更に深く検討する。スチレン誘導体、メタクリル酸誘導体に注目すると同時に他のモノマーへ対象を広げる。また、メタクリル酸エステルの測定に付属する未解決問題にも挑戦する。
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[Publications] 蒲池幹治: "ラジカル重合の化学"化学と教育. 47・2. 92-95 (1999)
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[Publications] M.Okada. M.Kamachi, A.Harada: "Preparation and Characterization of Inclusion Complexes between Methylated Cyclodexrin and Poly(tetrahydrofuran)"Macromolecules. 32・21. 7201-7207 (1999)
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[Publications] M.Okada. M.Kamachi, A.Harada: "Preparation and Characterization of Inclusion Complexes between Poly(propylene glycol) and Methylated Cyclodextrin"J. Phys. Chem. B. 103・14. 2607-2613 (1999)
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[Publications] A. Kajiwara, M. Kamachi: "ESR observation of Propagating Radical and Estimation of Propagation Rate Constant in theRadical Polymerization of Vinyl Chloride"Macromol Chem. Phys.. (2000)
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[Publications] A. Kajiwara, M. Kamachi: "Electron Spin Resonance (ESR) Estimation of Propagaticn Rate Constants for Polyerization of n-Butyl Methacrylate"Macromol Chem. Phys.. (2000)
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[Publications] 蒲池幹治・遠藤剛: "ラジカル重合ハンドブック"エヌ・ティ・エス社. 734 (1999)