1999 Fiscal Year Annual Research Report
超配向ポリアクリロニトリル繊維の作成と炭化挙動:立体規則性の効果
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11650934
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
金元 哲夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (30084320)
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Keywords | ポリアクリロニトリル / アタクティク / イソタクティック / 超延伸 / 繊維構造 / 引張特性 / コンフォーメーション変化 |
Research Abstract |
まず立体規則性が異なる高分子量(Mv=5-30x10^5)イソタクチック・ポリアクリロニトリル(iso-PAN、isotactic triad fraction(ITF)【less than or equal】68%)を有機金属触媒を用いた重合及び尿素アダクトの放射線重合により合成した。 次いで、PANの立体規則性が延伸挙動及び延伸物の構造と力学物性に与える効果を検討するために、最も高い立体規則性を有するiso-PAN(ITF=68%,Mv=5.2X10^5)と,それとほぼ同じ分子量を有するat-PANの超延伸を試みた。延伸には、以前我々がat-PANの超延伸に成功した二段延伸法を適用た。その結果、iso-PANの延性は結晶分散温度100℃以上で急速に上昇し、130-140℃で最大延性を示し、延伸比65・倍程度の延伸物を得ることが出来た。これに対して、at-PANの場合は、結晶/結晶転移温度150℃以上で延性が急速に上昇し、160-180℃で最も高い延性を示し、最大延伸比70程度の延伸物が得られた。超延伸物の室温における広角X線回折より、iso-PANの主鎖のコンフォーメーションは主として3_1ラセンであるのに対して、at-PANでは平面ジグザグと3_1ラセンが共存していることが分かった。両PANはコンフォメーションの差を反映し、著しく異なる応力/歪み曲線を示すことが分かった。また、室温での引張試験の結果、得られた最大ヤング率はiso-PANの方がat-PANよりも幾分高い値が得られたが(28.5vs.23.0GPa)、最大破断強度は両者ともに0.90GPa程度であった。
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[Publications] T.Kanamoto et al.: "Uniaxial Drawing of Isotactic Poly(acrylonitrile):Development of Oriented Structure and Tensile Properties"Macromolecules. 32・17. 5622-5630 (1999)
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[Publications] T.Kanamoto et al.: "Conformational Changes upon the Application of Tension Along the Fiber Axis of Highly Oriented Poly(acrylonitrile)Fibers"Rept.Progr.Polym.Phys.Japan. 42. 283-286 (1999)
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[Publications] 金元哲夫: "高強度・高配向ポリマー"高分子. 48・2. 100-101 (1999)