1999 Fiscal Year Annual Research Report
次期超音速輸送機一次構造用耐熱複合材料の疲労損傷機構の解明
Project/Area Number |
11650941
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宇田 暢秀 九州大学, 工学研究科, 助教授 (20160260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 幸生 九州大学, 工学研究科, 助手 (90038092)
久能 和夫 九州大学, 工学研究科, 教授 (90128009)
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Keywords | 耐熱材料 / 複合材料 / 疲労 / 損傷 / 高温 |
Research Abstract |
次期超音速輸送機の一次構造材料としては、長時間高温での高強度、耐熱性と高靭性を兼ね備えている炭素繊維/耐熱樹脂複合材料が注目されている。本研究の目的は、この耐熱性複合材料の代表的なものであるポリイミド系熱可塑樹脂を母材とした炭素繊維複合材料の高温環境下での疲労損傷過程を解明し、高温環境下での損傷許容性を明らかにすることである。今年度は、この耐熱性複合材料の常温から(200℃)環境にわたる基本的力学特性を取得するために、一方向積層板、あるいは、斜交積層板の一軸引張試験を恒温環境槽内で実施した。積層板は、ポリイミド系熱可塑樹脂を母材とした炭素繊維複合材料である東邦レーヨン製プリプレグIM6/PIXA-Mを用いて製作した。繊維方向ヤング率は温度とともにわずかに増加し、200℃では常温に比較し3%大きくなった。繊維と直角方向ヤング率とせん断弾性係数は温度上昇につれ徐々に減少し、200℃では常温に比較し約10%小さくなった。エポキシ樹脂を用いた炭素繊維複合材料の常温での弾性定数と比較すると、繊維と直角方向ヤング率やせん断弾性係数は10%程小さい。常温での強度については、炭素繊維エポキシ複合材料よりも高く、特に繊維と直角方向強度やせん断強度は約1.5倍であった。また、[+30/-30/90]s疑似等方性積層板の常温環境での疲労試験を行った。常温環境での疲労損傷進展の様子は、炭素繊維エポキシ複合体材料で作製した積層板とほぼ同様なものであった。
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Research Products
(1 results)