2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650942
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Research Institution | Tokyo University of Mercantile Marine |
Principal Investigator |
井関 俊夫 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (70212959)
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Keywords | ベイズ理論 / 方向スペクトル / 耐航性理論 / ハイパー・パラメータ / ABIC / 実船計測 |
Research Abstract |
本研究では、一般商船においても比較的導入しやすい簡易型航海意思決定システムの開発を目的としている。このシステムの特徴は、ハードウェア構成をできるだけ簡素化する目的で、船体自体を波浪計とみなして波浪情報を得ようとする点にある。研究代表者は本研究開始時にベイズ理論を用いた統計的方向スペクトル推定法を応用しある程度の成果を得ていた。そこで、本研究の初年度である平成11年度においては、(1)ハードウェアの製作(2)理論計算法の改良(3)アプリケーションソフトウェアの開発(4)本学附属練習船汐路丸による実船実験を行った。これらの成果を踏まえ、平成12年度においては以下のような研究実施計画を立て、概ね想定したとおりの研究実績をあげることができた。 (1)実船搭載および実用化試験 当初は北太平洋航路就航のコンテナ船に搭載する予定であったが、協力していただいた海運会社の都合で日本・オーストラリア間就航の石炭運搬船に搭載した。約半年の実用化試験の初期において、前年度開発したアプリケーションプログラムに若干の不具合があることが判明し、急遽原因の究明を行い、プログラムの修正・バージョンアップを行った。 (2)実用実験データ収集 上述の実用化試験後半において、自動運転で本システムを数航海にわたって稼動させ、航海中のデータをハードディスクに記録した。毎時10分間の動揺データ計測のみならず、統計的値をまとめたサマリーファイルを自動作成する機能を付加したので、航海の概要が一目瞭然にわかるようになった。 (3)報告書作成 現在印刷中であり、計画通り配布する予定である。 なお、前年度から連続した課題として、ベイズ推定部分の計算アルゴリズムを改良しオンライン化することが考えられる。本システムは現在、北太平洋航路就航のコンテナ船に搭載されており、実用化試験ならびに実用実験データ収集は継続しているので、今後も研究を続ける予定である。
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[Publications] 井関俊夫: "船体波浪計化法による波浪モニタリングについて-上下加速度と船載式波高計による推定精度の比較-"日本航海学会論文集. 102. 107-113 (2000)
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[Publications] Toshio Iseki,Daisuke Terada and Kohei Ohtsu: "Study on Stochastic Guidance System for Heavy Weather Operation"Proc.of the 2nd International Congress on Maritime Technological Innovations and Research. 30-43 (2000)
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[Publications] 寺田大介,井関俊夫: "船体縦曲げ応力のBayes推定"日本航海学会論文集. 104(発表・校正済み印刷中). (2001)