2000 Fiscal Year Annual Research Report
潮流のある大洋中での長距離音波伝搬を推定する高精度広角波動音波伝搬法の開発
Project/Area Number |
11650954
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
遠藤 信行 神奈川大学, 工学部, 教授 (20016801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏明 海洋科学技術センター, 主任研究員
土屋 健伸 神奈川大学, 工学部, 助手 (50291745)
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Keywords | 海洋音波伝搬 / 広角波動法 / 潮流 / 海洋音響トモグラフィー / FDTD法 |
Research Abstract |
昨年度、新しい計算アルゴリズムの広角波動伝搬法を使用して、黒潮や親潮のような周囲と温度差のある海水中を伝播する音波の三次元シミュレーションを行った。その結果、潮流による音波伝搬方向への速度変動の寄与が計算精度に大きく影響することが分かった。このことは、海流の影響を高精度で求めるためには、音波伝搬法自身の計算精度が高いことが必要であることを示している。そこで今年度は更なる計算精度の向上を目指して、長距離音波伝搬解析における高精度広角波動音波伝搬計算法のアルゴリズムの検討、ならびに、計算精度の高い実時間差分法の開発・検討を行った。 (1)ダグラス手法を用いた計算精度の高い広角波動法を開発した。このプログラムの計算精度は、従来のパデ級数展開法等に比較してかなり高い。そこで、深海中や浅海中で多数の音速プロファイルを想定し、種々の条件下における音波伝搬計算を行い、計算精度の高いことを確認した。 (2)原理的に、実時間差分法(FDTD法)は近似を用いないために、高い精度で音波伝搬をシミュレートすることが出来る。そこで、海流の影響が激しい浅海中で、海底の傾斜や海底媒質を種々変化させて音波伝搬計算を行った。その結果、計算精度の高いこと、さらに、反射波の影響も求めることが出来る事を確認した。 これらの結果については、欧州水中音響会議や応用物理学会誌等に報告した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Tsuchiya,N.Endoh,T.Nakamura et al.: "Numerical anaysis of acoustical propagation characteristics in Central Equatorial Pacific with range dependent bottom used by three-dimentional PE method."Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 3212-3215 (2000)
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[Publications] T.Tsuchiya,T.Anada,N.Endoh: "Analysis of Characteristics of Underwater Sound Propagation in the Ocean by a Finite Difference Time Domain Method"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 3200-3204 (2000)
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[Publications] N.Endoh,T.Tsuchiya,T.Anada: "Sound propagation in shallow water by finite difference time domain method"Proc.of fifth European Conference on UNDERWATER ACOUSTICS. 2. 51-56 (2000)
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[Publications] 土屋健伸,穴田哲夫,遠藤信行: "ダグラス法を用いたPE法による浅海海洋音波伝搬"電子情報通信学会超音波研究会技術報告. US99-74. 1-6 (2000)
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[Publications] 土屋健伸,遠藤信行 他: "広角波動伝搬法を用いた海洋音波伝搬の数値解析(14)-流れの影響の評価-"日本音響学会講演論文集. (1999)
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[Publications] 土屋健伸,遠藤信行 他: "広角波動伝搬法を用いた海洋音波伝搬の数値解析(12)-ダグラス法を用いた音波伝搬の数値解析と評価-"日本音響学会講演論文集. (1999)