2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660003
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷坂 隆俊 京都大学, 農学研究科, 教授 (80026591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀端 章 近畿大学, 生物理工学部, 助手 (70258060)
中崎 鉄也 京都大学, 農学研究科, 助手 (60217693)
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90152438)
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Keywords | イネ / 易変性突然変異 / YAC / トランスポゾン / 細粒遺伝子 |
Research Abstract |
イネ易変性突然変異遺伝子slgに挿入されているトランスポゾンの構造を明らかにするため、slgのポジショナル・クローニングを試みた。slgは2つのYAC(酵母人工染色体)クローン、Y1774およびY3356の重複部分に座乗する。そこで、昨年度はY1774をプローブとして日本晴由来のcDNA・ライブラリーから関与クローンを探索し、40個の独立クローンを獲得した。本年度は、これらクローンをプローブとしてサザン解析を実施し、両YACに座乗するクローンを決定した。また、同じプローブを用いた、原品種、細粒突然変異系統および復帰突然変異個体間のサザン解析により、クローンNo.27が両YACに座乗することを明らかにした。このクローン以外にも両YACにハイブリダイズするクローンは多数観察されたが、これらはイネゲノム全体と非特異的にハイブリダイズしたことから、両YAC特異的クローンであるとは断定できなかった。クローンNo.120を用いたサザン解析では、slg保有系統と原品種との間に多型が観察され、したがって、No.120はslg座近傍の遺伝子産物である可能性が高いと考えられた。つぎに、slgの易変性が遺伝子のメチル化に起因する可能性があるか否かを検証するため、slg保有系統と原品種との間でMspIサイトにおけるメチルシトシンの全シトシンに対する相対比を求めたところ、slg保有系統のメチルシトシン相対比は原品種の1/2であることが認められた。この現象とslgの易変性との関係は未解明であるが、slgはゲノムのメチル化程度を変更する可能性が高いと推察された。
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[Publications] Teraishi,M.H.Hirochika,Y.Okumoto,A.Horibata,H.Yamagata,and T.Tanisaka: "Identification of YAC clones containing the mutable slender glume locus slg in rice (Oryza sativa L.)"Genome. 44. 1-6 (2001)
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[Publications] T.Nakazaki,N.Ihara,Y.Fukuta,and H.Ikehashi: "Abundant polymorphism in the flanking region of two loci for baic PR-1 proteins as markers for indica-japonica differetioation in rice (Oryza sativa L.)"Breeding Science. 50. 173-181 (2000)
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[Publications] 堀端章,山縣弘忠: "イネ細粒遺伝子slgの復帰突然変異性およびそれが突然変異誘発因子の活性に及ぼす影響"育種学研究. 2. 125-131 (2000)