1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660012
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Research Institution | Japan Kinoko Research Center Foundation |
Principal Investigator |
松本 晃幸 財団法人 日本きのこセンター, 菌蕈研究所, 研究員 (60132825)
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Keywords | 担子菌類 / ヒラタケ / ミトコンドリアゲノム / 一次構造 |
Research Abstract |
高等担子菌類ヒラタケの自然集団は多様性に富むミトコンドリアゲノムを保有している。しかしながら、その多様性の遺伝学的および育種的意義については明らかでない。本研究では、ヒラタケミトコンドリアゲノムの多様性に関する分子遺伝学的知見を得るため、ヒラタケ517株のミトコンドリアゲノムを材料として、全一時構造の解析を進めた。塩基配列の解析を制限酵素切断点地図に基づいて進めるため、制限酵素BamHI、EcoRI、EcoRVおよびPstIの切断点をもつ断片をできる限りクローニングし、その中で3kbを越えるクローンについては欠失処理等を行って、できるだけ低分子サイズのサブクローンを調整した。その結果、全体の60%近くの領域をクローン化することができた。クローン化できなかった領域については、その領域の上下流域の塩基配列に基づいてプライマーをデザインし、LA-PCRにより増幅し、直接、解析に供した。以上の調整したDNA試料についてプライマーウォーキング法を取り入れて解析した後、異なるプラスミドクローン間の重複や両端からの解析結果などに基づいて、正確な塩基配列を決定し、アライメントした結果、本菌ミトコンドリアゲノム74.5kbのおよそ85%の領域について塩基配列を明らかにすることができた。決定領域の塩基組成を調べたところ、スエヒロタケのミトコンドリアゲノムで認められた特徴と同様に、アデニンとチミンの含量は全体の75%前後に達することが明らかとなった。現在、塩基配列解析の継続と並行して、解析を終えた領域について、遺伝子領域等を明らかにするための検討を進めている。
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