2000 Fiscal Year Annual Research Report
バレイショマイクロチューバーの種イモとしての特異性
Project/Area Number |
11660013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩間 和人 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70144219)
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Keywords | 乾物生産 / 光合成速度 / 根量 / 収量 / 耐乾性 / 種イモ / バレイショ / マイクロチューバー |
Research Abstract |
バレイショの早晩性の異なる主要栽培4品種(男爵イモ、キタアカリ、農林1号、コナフブキ)について、in-vitroで培養した直径1cm内外、生重1g程度の小塊茎(マイクロチューバー、以下MTとする)と通常の塊茎(生重50g程度、以下CTとする)とを種イモに用いて圃場で栽培し、種イモの大きさが生育と収量に及ぼす影響を調査した。なお、通常の圃場条件下の他に、圃場に設置した簡易ハウス内で乾燥と適湿の灌水処理を行い、土壌水分と種イモの大きさとの関係についても調査した。 1.いずれの品種においても萌芽と塊茎の形成開始はCTとMTがほぼ同時期であったが、MTはCTに比べ萌芽後の初期生育が劣り、塊茎の肥大開始期および開花始期が7〜10日程遅れた。しかし、地上部の生長が停止する開花終期やこの時期の葉面積指数におけるMTとCTの差異はほとんど認められなかった。 2.MTにおける塊茎肥大の遅れは開花終期でも認められたが、その後の増加速度はいずれの品種でもMTの方がCTよりも顕著に大きく、このため収穫期の塊茎収量での差異は比較的小さかった。いずれの品種でもMTはCT対比で80〜90%の塊茎収量を示し、品種と種イモの種類との間に有意な相互作用は認められなかった。 3.土壌の乾燥が生育と収量に及ぼす影響において、種イモの種類による差異はいずれの品種でも小さかったが、晩生2品種では根量の少ないコナフブキが根量の多い農林1号に比べ、乾燥に伴うMTの収量の低下程度の大きいことが示唆された。なお、開花終期における根量を調査したが、いずれの品種でもCTとMTとの間に明確な差異は認められなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kawakami, J: "Seed-size effect on the growth and yield of microtubers and conventional seed tubers in potato."Kobayashi, M.et.al.eds., Potential of root crops for food and industrial resources, The International Society for Tropical Root Crops. (印刷中). (2001)
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[Publications] Iwama, K: "Growth and yield of poato using micro tuber in Qibainong,the southwest China."Kobayashi, M.et.al.eds., Potential of root crops for food and industrial resources, The International Society for Tropical Root Crops. (印刷中). (2001)
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[Publications] Kawakami, J: "Varietal difference in growth and yield performance of field-grown potato from microtuber"日本作物学会紀事. 69巻・別2号. 84-85 (2000)
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[Publications] Kawakami, J: "Effect of soil water condition on the growth and yield performance of potato microtuber"日本育種学会・日本作物学会北海道談話会. 41号. 73-74 (2000)