2001 Fiscal Year Annual Research Report
多収性(超)穂重型水稲品種の籾数の分化・退化特性と登熟特性の解明に関する研究
Project/Area Number |
11660018
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
山本 由徳 高知大学, 農学部, 教授 (00093956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 彰 高知大学, 農学部, 助手 (00304668)
吉田 徹志 高知大学, 農学部, 教授 (10145112)
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Keywords | 溢泌液 / 穎花 / 国際研究者交流 / シンク容量 / 遮光 / ジベレリー / 水稲 / 品種 |
Research Abstract |
生態種(ジヤワ型,日本型,インド型)および粒大(大粒品種:精玄米千粒重25g以上,中粒品種:20〜25g,小粒品種:20g以下)を異にする水稲15品種を供試し,同一条件下で栽培して,シンク容量(m^2当たり籾数×1籾殻重)の成立過程および収量性について検討した(実験I).また,アルボリオ(大粒:ジャワ型),コシヒカリ(中粒:日本型)およびBR28(小粒1:インド型)をポット栽培し,幼穂発育期のGA_3散布処理,および75%遮光処理が根の活力(溢液量)と穎花の発育との関係に及ぼす影響について検討した(実験II).[結果]実験I:シンク容量は124〜205g/m^2の範囲にあり,品種群の平均値は中粒品種(インド型)>大粒品種≧小粒品種>中粒品種(日本型)の順に高く,それぞれ205g/m^2,165g/m^2,160g/m^2および130g/m^2であった.中粒品種(インド型)は籾数と1籾殻重のいずれも優れることでシンク容量が最高の値を示し,小粒品種は籾数が多いことにより,大粒品種は1籾殻重が重いことによってそれぞれ中粒品種(日本型)より高いシンク容量を確保していた.しかし,大粒品種では登熟歩合が他の品種群と比較して低く,シンク容量の拡大が収量増大に結びつかなかった.この原因は,大粒品種では葉鞘および稈中の貯蔵炭水化物量が少なく,生育期間を通じて葉面積指数(LAI)が低く,シンクに対してソース(葉面積)が不足していることに起因した.実験II : GA_3散布処理により,いずれの品種も幼穂発育期間の1茎当たりの溢液量が増加した.しかし、遮光処理の影響は品種によって異なった.溢液量はアルボリオ>BR28>コシヒカリの順に多く,溢液量は1穂当たりのシンク容量と高い有意な正の相関関係を示した(r=0.761^<**>).
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