2000 Fiscal Year Annual Research Report
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11660019
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| Research Institution | University of Miyazaki |
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Principal Investigator |
続 栄治 宮崎大学, 農学部, 教授 (30041049)
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| Keywords | 病原性微生物 / 木酢液 / 天然物化合物 |
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| Research Abstract |
広葉樹を炭化する際、発生する煙を冷却・液化すると、木酢液が得られる。この木酢液は作物の根を活性化させ、作物の生育を促進することが、また果菜類においては果実の品質を向上させることが知られている。さらに、木酢液は作物の病原微生物の生育に影響をもつことも示唆されている。
本研究は木酢液成分の分離・同定を行うとともに、木酢液ならびに同定された木酢液成分が病原性微生物(細菌及び糸状菌)の生育に及ぼす影響を検討するものである。ここでは病原性糸状菌の生育に対する影響を検討したので、その結果を報告する。供試した糸状菌はイネ紋枯病、イネいもち病(2種)、モモ縮葉病、コンニャク乾腐病及びパパイヤ黒かび病の6種である。実験は細菌同様寒天平板希釈法を用いて行った。すなわち、寒天培地(nutrient agar)に木酢液及び木酢液成分の倍々希釈系列を加えた寒天平板培地に糸状菌を接種し、菌糸の生長直径(コロニーの直径)を測定し、対照区に対する割合を求め、木酢液ならびにその成分の活性とした。暖地の広葉樹から得られた木酢液には37種の化合物が同定されており、そのうち市販されている27種の化合物が糸状菌の生育に及ぼす影響を検討した。木酢液は病原細菌の生育を阻害すると同様に、6種の糸状菌の生長を阻害した。また、供試した木酢液成分の中で糸状菌の生育阻止効果が大きかった化合物はカルボン酸類、キシレノール類、クレゾール類、4-エチールフェノール及び安息香酸であった。木酢液成分の糸状菌の生育に対する抑制作用は菌の種類によって異なり、4-メチルグアヤコールはFusarium solani MAFF306358の生育を抑制し、特異的であった。なお、酢酸は病原細菌の生育を著しく抑制したが、糸状菌に対してはその作用は小さく、病原微生物に対して異なる反応を示した。
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