2001 Fiscal Year Annual Research Report
イチゴ果実内のインベルターゼの種類と活性が糖蓄積に及ぼす影響について
Project/Area Number |
11660024
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻原 勲 東京農工大学, 農学部, 助教授 (80204113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 義博 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10214339)
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Keywords | イチゴ / 糖蓄積 / インベルターゼ / クローニング |
Research Abstract |
イチゴ果実におけるインベルターゼの働きと糖蓄積の関連を明らかにするため、スクロース(Suc)蓄積型品種とグルコース(Glc)+フルクトース(Fru)蓄積型品種を用いて、果実内の糖含量とインベルターゼ活性との関係を調査し、さらにインベルターゼ遺伝子の単離・解析を行った。 1.細胞壁結合型インベルターゼ活性は緑色期を除いて、Glc+Fru蓄積型品種がSuc蓄積型品種よりも高かった。一方、液胞遊離型インベルターゼ活性をみると,Suc蓄積型品種で時期による変化が少なかったがGlc+Fru蓄積型品種では増加し,還元糖の変化と類似した傾向を示した。 2.インベルターゼ遺伝子のクローニングを行ったところ、2種類の遺伝子断片(inv Iおよびinv II)が単離された。inv Iは液胞遊離型インベルターゼmRNAで、inv IIは細胞壁結合型インベルターゼmRNAで,両者の相同性は低かった。 3.inv Iをもとに作成した抗体を用いたウェスタンブロッティングの結果から、Glc+Fru蓄積型品種の液胞遊離型インベルターゼは、特に果実成熟初期に多く発現していることがわかった。しかし、inv IIの抗体は作成できなかった。 4.Inv Iのアンチセンス遺伝子を浅尾らの方法を用いてGlc+Fru蓄積型品種に導入したが,形質転換体を作成することができなかった. 5.生態学および分子生物学的観点から,イチゴにおける糖の蓄積型は遊離型インベルターゼと関係していると考えられた。
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