1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 博宣 京都大学, 農学研究科, 教授 (30026398)
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Keywords | 亜熱帯地方 / 遺跡整備 / 植生管理 |
Research Abstract |
1.本年度は、まず、石垣市フルスト原遺跡地において平成9年に設定した植生管理予備調査の調査区について、植生再生追跡調査を実施した。この調査区では、大径木を残して小径木を伐採し、林内に人が入りやすいように予備的に植生管理を行った調査区である。その後2年が経過して、植生がどの程度再生しているかを調査することを目的に、20m×20m調査区の毎木調査を実施した。その結果、伐採された小径木の多くの種類のものが再生し、林内に繁茂していることが確認された。また、残した大径木のうち蔓類の巻きつくものに枯損木があることが確認された。以上の結果、遺跡公園の園地化には、伐採後の林床地表面の処理と大径木の蔓巻き除去などの管理が必要であることが確認された。また、遺跡石塁復元地の地表面の植生再生を調査したが、特に草本類と小低木の再生が確認され、地表処理の必要性が確認された。 2.そこで、林床地表面の処理のための試験地を設定することとし、まず、10m×40mの調査区を既存森林に設定した。その調査区において、まず、毎木調査を実施して樹種、直径、樹高、枝張り、樹木位置を記録した。その後、この調査区内の植生をすべて伐採し、10m×40m調査区内に5m×5m試験区を5個設定した。試験区は、コーラル石灰岩砕石敷き2区(厚さ5cm、10cm)、シバ張り2区(基盤コーラル敷き)の処理、無処理1区とした。 この調査区と試験区の植生再生追跡調査は平成12年度に実施し、処理の方法について検討する。なお、調査の成果の一部は平成12年度日本造園学会関西支部等で発表の予定である。
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