2000 Fiscal Year Annual Research Report
花色素生合成遺伝子の発現に及ぼす紫外線AおよびB波長領域の影響
Project/Area Number |
11660029
|
Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金地 通生 神戸大学, 農学部, 助教授 (90211854)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 雄一 神戸大学, 農学部, 助手 (90304120)
|
Keywords | アントシアニン / 紫外線 / 花色素 / 転写因子 / CHS / フラボノイド / UV |
Research Abstract |
紫外線の受光に応答して発現が見られるフラボノイド系の花色素(アントシアニン)の生合成における制御機構を解明するため,赤葉系のリーフレタスを人工光下(白色蛍光灯)で栽培し,紫外線(UV)波長を異にする紫外線ランプ(BLB灯および健康線灯)を補光することにより,UV-A波長域(320nm以上)およびUV-B波長域(290-320nm)にそれぞれ応答して蓄積されるアントシアニンについて調べた. 1.紫外線波長への応答特異性に関しては,UV-AとUV-Bで葉におけるアントシアニンの蓄積に差異はなく,どちらもUVを受光しない場合に比べて有意に蓄積が増大した. 2.UV-Bの照射強度(0.5〜1.0W/m^2)には同程度に応答して,クロロフィルおよびアントシアニンの蓄積が見られた. 3.アントシアニンの蓄積は,白色光の同時照射を伴わないUV-Bのみの受光下で最も増大し,白色光が共存することにより紫外線の受光に対する感受性が変わることが示唆された. 植物の紫外線障害の機構を解明するためには,色変わりバラ花弁や赤葉リーフレタスのアントシアニン等フラボノイド系代謝産物の生合成過程における生合成酵素の転写制御や活性を分子生物学的に明らかにすることが重要である.
|