1999 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の活性酸素消去機能に基づいた鮮度評価-ピーマン果実をモデルとして-
Project/Area Number |
11660035
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
今堀 義洋 大阪府立大学, 農学部, 講師 (40254437)
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Keywords | アスコルビン酸 / アスコルビン酸ペルオキシダーゼ / 過酸化水素 / カタラーゼ / スーパーオキシドジスムターゼ / デヒドロアスコルビン酸還元酵素 / ピーマン果実 / モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素 |
Research Abstract |
本研究のモデルとして用いるピーマン果実の活性酸素消去機構を調べるため,ピーマン果実を20℃加湿条件下で10日間貯蔵し,次のような知見が得られた. 1.ピーマン果実の抗酸化物質の貯蔵中の変化 貯蔵中アスコルビン酸は貯蔵開始日の含量が保持され,葉菜類のような貯蔵に伴う減少傾向はなかった.また,酸化型アスコルビン酸の貯蔵中の変化も同様であり,貯蔵中のアスコルビン酸含量と酸化型アスコルビン酸含量との比も貯蔵中一定であった. 2.ピーマン果実の過酸化水素含量の貯蔵中の変化 過酸化水素は活性酸素の一つであり,植物の過酸化水素含量が植物自身の老化や外的なストレスにより変化することが知られている.しかし,ピーマン果実の過酸化水素含量は貯蔵中ほぼ一定であった. 3.ピーマン果実の活性酸素消去機構に関する酵素の貯蔵中の活性変化 貯蔵中のピーマン果実の過酸化水素を生成するスーパーオキシドジスムターゼの活性変化、過酸化水素を消去するアスコルビン酸ペルオキシダーゼおよびカタラーゼの活性変化、さらに,アスコルビン酸の還元に関係するモノデヒドロアスコルビン酸還元酵素、デヒデロアスコルビン酸還元酵素およびグルタチオン還元酵素の活性変化についてそれぞれ測定した.その結果,いずれの酵素とも貯蔵中貯蔵開始日の活性が維持された. 以上のことから,ピーマン果実は貯蔵中活性酸素消去機構が十分に機能しており,本研究のモデル実験の材料として最適であることが明らかとなった.
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