2000 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の活性酸素消去機能に基づいた鮮度評価-ピーマン果実をモデルとして-
Project/Area Number |
11660035
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
今堀 義洋 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (40254437)
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Keywords | アスコルビン酸 / アスコルビン酸ペルオキシダーゼ / カタラーゼ / デヒドロアスコルビン酸還元酵素 / グルタチオン / 過酸化水素 / モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素 / スーパーオキシドジスムターゼ |
Research Abstract |
ピーマン果実を1,10および20℃に14日間暗所下で貯蔵し,貯蔵中の過酸化水素含量の変化,抗酸化物質の含量変化および抗酸化酵素の活性変化について調べた.1.ピーマン果実の貯蔵中の外観変化 貯蔵中低温障害と見られるピッティングの発生が1℃貯蔵のみ認められ,その発生率は経時的に増加した.2.ピーマン果実の過酸化水素含量の貯蔵中の変化 10および20℃貯蔵では貯蔵中変化はなく,一定レベルを維持した.一方,1℃貯蔵では貯蔵初期に一時的に増加し,その後は他の温度区より高いレベルを維持した.3.ピーマン果実の抗酸化物質の貯蔵の含量変化 アスコルビン酸はいずれの温度区も貯蔵中増加した.一方,酸化型アスコルビン酸は1℃貯蔵で貯蔵初期に一時的増加を示し,それ以外の温度区では貯蔵中緩やかに減少した.還元型グルタチオンと酸化型グルタチオンは貯蔵中いずれの温度区とも緩やかに減少した.特に,1℃貯蔵では還元型グルタチオンの減少程度が大きかった.4.ピーマン果実の抗酸化酵素の貯蔵中の活性変化 アスコルビン酸ペルオキシダーゼの活性は温度区による差はなく,貯蔵中ほぼ一定レベルを示した.酸化型アスコルビン酸還元酵素の活性変化は1および20℃貯蔵で貯蔵中一定レーベルを維持したのに対して,10℃貯蔵では貯蔵初期に増加し,その後貯蔵当初のレベルを示した.モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素の活性は貯蔵温度による差はなく,いずれも増加する傾向を示した.グルタチオン還元酵素の活性はいずれも貯蔵初期に一時増加した.特に,10℃貯蔵でその程度は大きかった.カタラーゼの活性は1および20℃貯蔵で貯蔵中一定レベルを維持したのに対して,10℃貯蔵では貯蔵初期に増加し,その後貯蔵当初のレベルを示した.スーパーオキシドジスムターゼの活性は20℃貯蔵で貯蔵中一定レベルを維持したのに対して,10℃貯蔵では貯蔵初期に一時増加し,1℃貯蔵では貯蔵7日に著しく増加した.
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