1999 Fiscal Year Annual Research Report
トマトの土壌伝染性病・虫害の回避を目的にしたナス属植物の台木利用に関する研究
Project/Area Number |
11660037
|
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
松添 直隆 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (50239018)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川信 修治 南九州大学, 園芸学部, 助教授 (30113260)
|
Keywords | 土壌病害 / 青枯病 / トマト / 接ぎ木 / 栽培 / 病害抵抗性 |
Research Abstract |
1.Solanum toxicariumの持つ青枯病抵抗性のメカニズムを解明することを目的に下記の1〜4の実験を行った。 1)Solanum toxicariumの茎に青枯病細菌を刺針接種し、青枯病細菌の動静について検討した。 (1)青枯病細菌は茎内である程度移行することが認められた。 (2)接種後90日目の茎内からも細菌が検出されたが、発病株は見られなかった。 2)Solanum toxicariumから抽出した物質の青枯病細菌に対する抗菌性を調べた。植物体の部位によって抗菌作用の程度及び強さは異なるが、葉、茎、根には抗菌性を示す成分が存在することが示唆された。 3)Solanum toxicarium台トマトに青枯病細菌を断根接種し、青枯病細菌の動静について調べた。 (1)接種後49日経過してもトマトの葉(穂木)のしおれは全くみられなかった。 (2)青枯病細菌は根部から台木のS.toxicariumの茎内に進入する場合があったが、穂木のトマトまで移行しなかった。 4)Solanum toxicarium台トマトの穂木上部に青枯病細菌を刺針接種すると、ほとんどの株が接種後10日以内に枯死し、細菌も穂木部から台木部に移行した。 2.これまでの研究から、S.toxicariumはトマト用台木としては生産性が低いことが明らかにされている。そこで穂木トマトの生産性の向上を目的としたS.toxicariumの育成を進めている。また、イオンビーム照射による刺無し個体の育種を進めている。
|