1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660049
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
奥野 哲郎 高知大学, 農学部, 教授 (00221151)
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Keywords | RNA / レプリカーゼ / RNA合成 / RNAウィルス / 抗体 / RNA依存RNA合成酵素 / ダイアンソウイルス / 温度感受性 |
Research Abstract |
Red clover necrotic mosaic dianthovirus-カナダ株(RCNMV-Can)の感染性cDNAクローンの全塩基配列を決定した。遺伝子構成はRCNMV-Ausと類似しており、塩基配列をRCNMV-Ausと比較すると、RNA1とRNA2でそれぞれ85%と78%の相同性を、また27kDを含む88kD複製酵素成分タンパク質、外被タンパク質、移行タンパク質ORFでの推定アミノ酸配列では、89%、74%、81%の相同性を示した。 RNA複製酵素成分と考えられる27kDタンパク質とそのフレームシフト翻訳産物である88kDタンパク質に特異的に反応する抗体を作製するため、まず、27kD ORF3'側約550bpとフレームシフト下流54kD ORF3'側約300bpに対応するポリペプチドをヒスチジンタグを付加して大腸菌で発現できるプラスミドをpET15bを用いて作製した。これらの融合タンパク質の大腸菌での発現条件と融合タンパク質が不溶性であること、また、尿素で可溶化できることを明らかにした。 RCNMV-Can感染植物(インゲン、Nicotiana clevelandii、、N.benthamiana)から膜結合複製酵素画分を抽出する条件を調べた。酵素活性は、接種2日後で最も高く、その後急激に低下した。接種2日後の感染葉から抽出した本酵素画分でのRNA合成は温度感受性を示さず、RCNMV-CanのRNA複製における温度感受性は、RNA合成のelongationの過程でないことが示唆された。現在、鋳型依存性の酵素を得るための条件とプロトプラストの感染条件およびさらに高い活性をもつ酵素の抽出条件を調べている。
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