2001 Fiscal Year Annual Research Report
在来種ニホンミツバチの優良系統の選抜育種と養蜂種としての利用に関する研究
Project/Area Number |
11660053
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
吉田 忠晴 玉川大学, 学術研究所, 教授 (80138601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 純 玉川大学, 学術研究所, 助教授 (30256002)
佐々木 正己 玉川大学, 農学部, 教授 (40096061)
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Keywords | ニホンミツバチ / Apis cerana japonica / 選抜育種 / 養蜂 |
Research Abstract |
平成13年度:低温時での花粉媒介能の検討と選抜群の3年目の評価 (1)選抜群の評価: 2000年の選抜群の中から,女王蜂の多産卵性,低逃去性,わずかな刺激に対して巣板上を走り回らない性質などに注目して,御坊の1群,周参見の2群,板橋の1群の計4群を2001年の選抜群として新女王蜂を養成した.雄蜂は2000年の選抜群から選び任意交配を実施した.2001年の選抜群の中で,周参見系統の群は巣箱重量の増加,巣板の形成速度,巣板の貯蜜圏,蜂児圏の利用率において高い割合を示し,満足できる優秀な群であった. (2)花粉媒介能の検討 2000年のハウスイチゴに引き続き,選抜群(御坊群)と非選抜群を用いて,ネットハウスのブルーベリーの花粉媒介能について検討した.選抜群は低温時や雨天時などの低照度下において,非選抜群より採餌活動が活発であることが示された.また訪花数は非選抜群より選抜群で多く見られ,結実率も高いことが確認された. (3)選抜群の養蜂種としての評価 3年間の選抜育種によって,女王蜂の産卵能力の向上と蜂群の活性化がある程度確認された.また巣板上を走り回る性質についても軽減された温和な蜂群を得ることができた.イチゴやブルーベリーの花粉媒介の結果から,早春などの低温時や雨天などの低照度下でポリネーターとして期待できることが示され,今後,実用種の確立に向けて,さらなる研究の継続を予定している.
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