2000 Fiscal Year Annual Research Report
エンドファイト(植物内部共生菌)の共生成立過程とその特異性発現機構の解明
Project/Area Number |
11660055
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Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
古賀 博則 石川県農業短期大学, 農業資源研究所, 教授 (60290079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷内 修 石川県農業短期大学, 農業資源研究所, 助手 (40227963)
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Keywords | エンドファイト / 植物共生菌 / 特異性 / 免疫電顕 / レクチン / トールフェスク |
Research Abstract |
エンドファイトを有効利用する場合に大きな隘路となっているのは、エンドファイトによっては人工接種したときに植物と親和性とならずに非親和性となることである。親和性・非親和性の特異性が発現される部位の一つは、エンドファイト菌糸と植物細胞壁の間の細胞間質で起きることを先に報告した。そこで、post-embedding法による免疫電顕を応用して、この細胞間質がエンドファイト菌糸に由来するものか、それとも植物に由来するものであるかを検討した。一次抗体としては昨年度、走査電子顕微鏡でのエンドファイトの検出に用いた抗体を用いた。エンドファイトが共生しているトールフェスクの組織を樹脂で包埋し、一次抗体を樹脂の超薄切片と反応させ、この一次抗体に金コロイドで標識した二次抗体を反応させた。透過電子顕微鏡で検鏡した結果、エンドファイト菌糸の抗体は菌糸の細胞壁とは反応したが、細胞間質との反応は認められなかった。このことから、細胞間質はエンドファイト菌糸由来ではないことが示唆された。次に、この細胞間質の多糖類の性質を知る目的で、金コロイドと結合させたタチナタマメレクチン、レンズマメ凝集素、ピーナッツ凝集素、インゲンマメ凝集素およびコムギ胚凝集素を、エンドファイト菌糸と反応させ、透過および走査電子顕微鏡で検鏡出したが、現在のところいずれでも金コロイドとの反応は認められなかった。今後、レクチンとの反応条件について、さらに他のレクチンについて検討するとともに、非親和性組合せについても研究する予定である。
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[Publications] 古賀博則,中谷内修: "トールフェスク及びペレニアルライグラス組織内のNeotyphodium エンドファイト菌系の免疫電子顕微鏡法による検出"日本植物病理学会報. 66. 179 (2000)
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[Publications] 古賀博則: "エンドファイト(植物内部共生菌)のコロイド金抗体法を用いたSEMによる検出"医学生物学電子顕微鏡技術学会第8回医学生物学部電顕シンポジウムプログラム予縞集. 17 (2000)
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[Publications] Koga,H.: "Ultrastructure of pathogenic and endophytic fungi/plant interfaces."Proceedings of 7th Symposium of mycological Society of Japan. 45-48 (2000)
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[Publications] 古賀博則,秋山典昭,中谷内修: "post-embedding 法による免疫電顕のNeotyphodium エンドファイト(植物内生菌)への応用"医学生物学電子顕微鏡技術学会第17回学術講演会および総会プログラム・予稿集. (2001)