1999 Fiscal Year Annual Research Report
重金属耐性植物の作製とそれによるPhytoremediationの試み
Project/Area Number |
11660067
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長谷川 功 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (40218441)
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Keywords | 植物の重金属耐性 / メタロチオネイン / CUP1遺伝子 / カドミウム / ヒマワリ細胞 / TTC還元活性 / 細胞Viability |
Research Abstract |
重金属汚染土壌の浄化(Phytorimediation)に供する重金属耐性植物の育成を目的に、酵母由来の重金属結合蛋白質メタロチオネイン(MT)合成遺伝子CUP1をVinary bector法でヒマワリに導入し、カナマイシン耐性(一次選抜)及び200μMCd含有培地での生育(二次選抜)する32株を得た。この形質転換体についてPCR法によってCUP1の存在が確認された株は11株であった。この形質転換株をCd200及び400μMを含有する液体培地で培養し、そこにおける細胞増殖率およびTTC還元活性による細胞のViabilityからCd耐性能の付与について検討した。その結果、非転換体は著しく生育が抑制されたが、形質転換体のNo.4やNo.18株は高濃度のCd存在下でも十分生育し、TTC還元活性もほとんど低下せず、MT遺伝子の導入による高いCd耐性を示した。Cd処理した非転換および形質転換体からタンパク質を抽出してゲルろ過法で分画した結果、形質転換体にはMTの分子量6000〜8000に相当する画分のピークが存在したが、非転換体にはこのピークが見られず、しかも、このピーク高は前述の細胞Viabilityとの間に正の相関が認められたことから、これが導入遺伝子の発現によって生成したMTであると推定した。一方、12種類の培地を用いてヒマワリカルスからの個体再生条件について検討した結果、胚軸由来のカルスからは比較的高頻度でShootが再生し、一部にはRoot形成も認められた。
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