2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660082
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
魚住 信之 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (40223515)
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Keywords | K^+ / チャネル / トランスポーター / Arabidopsis thaliana / トポロジー / Na^+ / Escherichia coli / 膜蛋白質 |
Research Abstract |
1)植物の3種類のK^+の取り込み系の一つのAtKUP1は大腸菌で活性発現することはすでに報告している。植物KUP系の輸送体トポロジーをPhoA融合法で大腸菌発現系を用いて決定した。13ヶ所存在する疎水領域のうち7ヶ所は膜貫通構造を形成することが明らかとなった。高い疎水領域であるのにもかかわらず膜に貫通していない部分が存在した。この領域は一部が膜に埋まっている可能性が考えられ、さらにイオン輸送孔を形成している可能性が示された。 2)K^+チャネル(KAT1)のイオン選択孔中のThrはNa^+の排除に重要であることを電気生理学的解析から示した。 3)植物の3種類のK^+の取り込み系の一つのAtHKT1のトポロジーを大腸菌発現系を用いて決定した。抗体認識部位をAtHKT1に導入し動物の発現系で検討した。同時に糖鎖修飾部位も創出して小胞体膜を用いて膜領域の配向性を調べた。FLAG抗体認識部位を5カ所、糖鎖修飾部位を7カ所検討したところ大腸菌で決定したトポロジーとすべての点で一致した。この結果、大腸菌発現系、抗体認識法による動物細胞の発現系および小胞体膜を用いた糖鎖修飾法によってAtHKT1は8回膜貫通構造を有すること証明した。この決定したAtHKT1の膜貫通構造は他のグループが報告されている構造とは異なる結果となった(論文投稿中)。我々の構造モデルは。既に報告されている10回膜貫通構造モデルを修正した。 4)AtHKT1には一カ所N型糖鎖修飾が予想される残基が存在する。イオン透過孔に面する箇所の糖鎖修飾の有無がK^+Na^+のイオン選択性に影響を与えている可能性がある。糖鎖修飾機能をもつ真核細胞発現系とそれを持たない大腸菌発現系の差異を検討した。糖鎖非修飾に残基置換したAtHKT1変異蛋白質を作成して卵母細胞でイオン電流を膜電位固定法で調べたところ糖鎖修飾はイオン透過性には関与しないことがわかった。本膜蛋白質では糖鎖修飾の影響ではなかった。大腸菌は酵母や動物細胞よりもサイズが小さいため、K^+の要求性が小さいことからAtHKT1は大腸菌においてK^+の取り込み活性変異を相補したと考えられた。
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[Publications] Mori et al.: "Phosphorylation of the inward-rectifying potassium channel KAT1 by ABR kinase in Vicia guard cells."Plant Cell Physiol.. 41・7. 850-856 (2000)
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[Publications] Uozumi,N., et al.: "Sodium blocking induced by a point mutation at the C-terminal end of the pore helix of KAT1 channel."J.Membr.Biol.. (In press). (2001)