2001 Fiscal Year Annual Research Report
不斉アルキル分岐を有する脂肪酸の一般的不斉識別法の開発と評価
Project/Area Number |
11660100
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
赤坂 和昭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10201881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大類 洋 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (20100050)
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Keywords | 分岐脂肪酸 / 絶対配置の決定 / 蛍光不斉誘導体化 / キラル分離 |
Research Abstract |
前年度までに(R,R)-及び(S,S)-2-(2,3-アントラセンジカルボキシイミド)シクロヘキサノールを用いた低温条件下の逆相HPLC法により2位から18位に分岐を有するアンテイソ脂肪酸の不斉識別について報告したが、本年度は更に遠隔位に分岐不斉を有するアンテイソ脂肪酸について検討を行った。19位〜26位に分岐不斉を有する光学活性アンテイソ脂肪酸標品を合成し、(R,R)-及び(S,S)-試薬により誘導体化した後、アキラルな逆相カラムを用いたHPLC分析を行った。その結果、24位に分岐不斉を有するアンテイソ酸をC-30カラム一本でRs0.7以上の分離を得ることができた。更に、25位及び26位に分岐を有する脂肪酸についても2本或いは3本のカラムの連結により不十分ながらピークの分離を確認することができた。また溶出順序には、前年度報告した12位以降で[認められたに規則性が成立していることを確認した。 本法の新たな実用性評価への展開として、アルキル鎖中に不斉シクロプロパン環を有する免疫抑制活性を有する海洋性スフィンゴ頭脂質Plakoside A のシクロプロパン環の絶対構造解析への応用を行った。Plakoside Aからシクロプロパン環構造を持った誘導可能な脂肪酸cis-6,7-methleneheptadecanoic acidおよびcis-9,10-methyleneicosanoic acidの合成光学活性標品を誘導体化し、不斉分離を検討した結果、何れのエナンチオマー体をも分離する事ができた。更に天然物由来の脂肪酸を同様に誘導化し標品の保持時間と比較する事により、その絶対配置を決定することができた。
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