1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660101
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
桑原 重文 茨城大学, 農学部, 助教授 (30170145)
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Keywords | Tynacantha marginata / Spodoptera exigua / Periplaneta fuliginosa / Perileucoptera coffeella / Pheromone / Elicitor |
Research Abstract |
主に南アメリカ地域に生息するカメムシの一種Tynacantha marginataが生産する新規骨格セスキテルペンについては、まず分子内ダブルマイケル反応を利用したラセミ体合成を完成することにより相対立体構造を確認した。次に、分子内ディールス・アルダー反応をキーステップとした両鏡像体の合成に成功し、キラルカラムを用いたGLC分析を行うことにより、天然物の絶対立体配置を確定した。これらの成果については、既に海外の二つの学会で発表した。トウモロコシの害虫であるシロイチモンジヨトウ(Spodoptera exigua)の生産するエリシターである脂肪酸-アミノ酸複合体についても既に両立体異性体の合成に成功しており(結晶として得た。)、近日中に公表する予定である。フェロモン類としては、これ以外にクロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)のフェロモンとして近年報告されていたぺリプラノンDの再現性の高い合成をペリプラノンCの合成とともに完了した。その結果、従来公表されていた物性データに対し、疑問が提示された。また、ブラジルのコーヒー農園における害虫であるPerileucoptera coffeellaのフェロモンについても、立体異性体混合物の実用的合成法を開発し、既にブラジルにおいて実用化のためのフィールド試験が好経過のもと進行中である。さらに、4種の立体異性体の合成も完了しており、生物活性試験が終了次第、公表する予定である。ジテルペン類の合成については、現在ワーグナー・メールヴァイン転位を用いる簡便骨格合成法が進行中である。
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