2000 Fiscal Year Annual Research Report
非天然型糖鎖を結合したドリコールピロリン酸類の合成研究
Project/Area Number |
11660116
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中原 義昭 東海大学, 工学部, 教授 (50087574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 裕信 東海大学, 工学部, 助教授 (00209214)
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Keywords | ドリコールピロリン酸 / アスパラギン結合型糖鎖 / 糖鎖生合成 / リピド中間体 |
Research Abstract |
本研究は糖タンパク質糖鎖機能解明のための基礎研究の一端として、試料調製が困難のため従来手が付けられていない糖鎖構造異性体とドリコールのピロリン酸エステル型化合物の化学合成法を確立し、生合成課程の解析および酵素の基質特異性を追究する研究に役立てることを目的としている。さらに、近い将来これら自由に設計した糖鎖のドリコールピロリン酸エステルをオリゴ糖転移素によってタンパク質に任意の糖鎖を付加できるかどうかという極めて興味深い研究へと発展させることを計画している。前年度に引き続き以下の課題について研究を実施した。 1.非天然型グリコシド結合を持つアスパラギン結合型糖鎖の合成:アスパラギン結合型糖鎖はMan-α-(1→6)-[Man-a-(1→3)]-Man-β-(1→4)-GlcNAc-β-(1→4)-GlcNAcであらわされる5糖コア構造を共通母核として高度なオリゴマーへと生合成される。本テーマを遂行するための基礎合成研究として、5糖構造中の-Man-β-(1→4)-GlcNAc-β-(1→4)-GlcNAc部分につきそのグリコシド結合異性体の合成研究をおこなった。この研究結果をもとにドリコールのピロリン酸エステル化合物への変換を検討した。 2.薄層クロマトグラフィー上で検出容易なアシル保護基を有する糖鎖およびドリコールリン酸との縮合反応の研究:従来法にならい糖アセチル誘導体をリン酸化した化合物を得、これとドリコールリン酸との縮合を試みたところ、目的物は得られなかった。生成物の不安定さに加え、反応の追跡が困難であることが分かったため、アセチル基をUV吸収のあるトルオイル基で置き換えて縮合反応を行った。トルオイル化したN-アセチルグルコサミン誘導体では低収率ながら縮合生成物を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] L.Singh,Y.Nakahara,Y.Ito,and Y.Nakahara: "An Efficient Access to Protected Disialylated Glycohexaosyl Threonine Present on the Leukosialin of Activated T-Lymphocytes"Carbohydr.Res.. 325. 132-142 (2000)
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[Publications] H.Hojo and Y.Nakahara: "Recent Progress in the Solid-Phase Synthesis of Glycopeptide"Current Protein and Peptide Science. 1. 43-67 (2000)
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[Publications] Y.Ohnishi,H.Ando,T.Kawai,Y.Nakahara,and Y.Ito: "Synthesis of a novel asparagine-linked heptasaccharide structure via p-methoxybenzyl-assisted β-mannosylation."Carbohydr.Res.. 328. 263-276 (2000)
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[Publications] M.Takatani,T.Nakama,S.Manabe,Y.Nakahara,Y.Ito,and Y.Nakahara: "Synthesis of N-Linked Pentasaccharides with Isomeric Glycosidic Linkage"Glycoconj.J.. 17. 357-370 (2000)