1999 Fiscal Year Annual Research Report
消化管におけるフィチン酸の酸化ストレス防御機能の解析
Project/Area Number |
11660127
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺尾 純二 徳島大学, 医学部, 教授 (60093275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 紀子 徳島大学, 医学部, 教務員 (40116851)
室田 佳恵子 徳島大学, 医学部, 助手 (40294681)
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Keywords | フィチン酸 / キレート作用 / 抗酸化活性 / 大腸がん / 酸化ストレス / フィターゼ / 大腸粘膜 / リポソーム |
Research Abstract |
フィチン酸(Phytic acid:inositol hexaphosphaste:IP6)は、穀類豆類に広く分布し日常摂取する一般的な食品成分であるが、その強力な金属イオンキレート力には潜在的な生理機能性が存在するはずである。、例えば、大腸ではフィチン酸キレートによる活性酸素の発生抑制が大腸上皮細胞への酸化ストレスを低下させることにより腫瘍形成の低下につながることが期待される。本研究は、消化管の酸化ストレス抑制に対するフィチン酸の有効性を明らかにすることを目指すものであるが、本年度はフィチン酸(IP6)とその部分加水分解物(IP5〜IP2)の(1)キレート能、(2)リポソーム膜の鉄イオン依存性脂質過酸化反応に対する抗酸化活性、(3)ラット大腸粘膜の鉄イオン性脂質過酸化反応に対する抗酸化活性(in vitro系)の評価を行った。その結果、(1)リン酸数に伴い、IP2<IP3<IP4<IP5<IP6の順にキレート能が強まった。(2)リン酸数に伴い、IP2<IP3<IP4<IP5<IP6の順に抗酸化活性が強まったが、IP3以上ではIP6に匹敵する抗酸化活性がみとめられた。(3)IP3はIP6と同程度の粘膜酸化抑制作用を発揮する事が明らかであった。これらの結果は、食品成分として摂取したIP6が消化管内で腸内細菌由来のフィターゼによる加水分解を受ける過程においても、生じた加水分解物が十分に抗酸化作用を発揮できることを示唆するものである。
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Research Products
(1 results)