2000 Fiscal Year Annual Research Report
搗精分級精粒法により得られる小麦粉の製パン性に関する研究
Project/Area Number |
11660128
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森田 尚文 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00094631)
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Keywords | 国産小麦粉 / 分級粉 / 小麦搗精粉 / ドウの特性 / 製パン性 / ペントサン |
Research Abstract |
国産小麦農林61号から調製された分級粉と通常に製粉された小麦粉(通常粉)を用い、水溶性ペントサン(WISP)及び不溶性ペントサン(WSP)の分取と精製を行なった。カナダ産硬質通常小麦粉CWへの分級粉とペントサナーゼ(PEN)の添加は、ドウ中のWISPの水解によるWSPの増加により良好なグルテン形成をもたらした。また全ての分級粉は通常粉よりも多量のWSPとWISPを含んでいた。N61への分級粉の代替はWSPの量を増加させるが、その多糖のAra/Xylは減少する傾向を示した。また、代替粉へのPENとセルラーゼ(CEL)の添加はドウ中のWSPを増加させ、そのAra/Xylを低下させた。軟質分級粉の中心層30-0%の画分NA-8は軟質通常粉のN61よりも、小さいAra/Xylを示すWSPと逆に大きいAra/Xylを示すWISPを含み、WSPとWISPは共にHermesやN61由来のものよりも多量のフェルラ酸を含んでいた。また、NA-8から得られるWSPは加熱により水溶性蛋白質の泡沫を安定にした。このWSPやWISPを通常硬質粉Hermesに添加すると、Hermes単独の場合よりも製パン性は向上した。N61とNA-8から調製したWSPとWISPの製パン効果を比較するとWSPではNA-8由来、WISPではN61由来の方が夫々良好な製パン効果を示した。これらの結果はN61とNA-8に含まれるWSPとWISPの構造の違いが関係することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)