1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660148
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芝 正己 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20144339)
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Keywords | 森林景域 / 断片化 / 林相パッチ / モザイク / 伐採 / GIS / 画像解析 |
Research Abstract |
森林景域の断片化(fragmentation)とは、森林伐採や林道開設に伴う人為的攪乱の結果として、複雑なモザイク状の「林相パッチ」が形成される過程であり、攪乱後の景域遷移や回復程度の時間的・空間的スケールを推定する上で、これらのパッチ形状や配置、パッチ間距離・分布特性等を定量的に把握することがまず重要な作業となる。そこで当該年度は、1ソースデータの収集、2パッチマップの作成、3パッチ形状・分布統計量の推定の3課題に的を絞って研究を進めた。具体的には、モデル森林(京都大学芦生演習林)に設定した解析対象地域(面積:2,000ha)をカバーした航空写真(昭和49年:モノクロ・カラー写真、平成8年:カラー写真、デジタルオルソフォト)、林層図、数値地形図を用いて、昭和49年及び平成8年の22年間の伐採・林道開設推移に伴う当該森林地域の時系列的・空間的な断片化状況変化をパッチマップで再現した。この作業は、従来の研究成果として開発してきた簡易型画像解析処理システムと、今回新たに導入した画像・地理情報システムGIS(PCI/IDRISI)を併用して行った。パッチ形状(面積・周長・多様度指数・フラクタル次元)、パッチサイズ(平均周長・平均面積)、パッチ数度(個数・面積比率・密度)、分布統計量(重心間距離・ボロノイ距離)の推定に関しては、GISの空間分析機能及びデジタル画像処理に基づくピクセルカウント法を用いて解析した。過去22年間の分散伐採の結果、全体としては林相パッチ形状の単純化と林縁域での拡張が漸次進展し、林相の断片化にはほとんど変化が見られないか、あるいは若干弱まって推移してきたことが類推された。二時点での統計検定では必ずしもパッチ間の有意差は得られなかったが、景域の断片化の基本構造を把握する上で本研究に導入したGISによる画像処理法及び評価指標が効果的であることが確認された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 芝 正己: "森林の伐採方式と景域の断片化(fragmrntation)構造の計量評価(III)"第111回日本林学会大会学術講演集:利用部門 (発表予定). (2000)
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[Publications] 石川知明: "森林の伐採方式と景域の断片化(fragmrntation)構造の計量評価(IV)"第111回日本林学会大会学術講演集:利用部門 (発表予定). (2000)
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[Publications] Masami Shiba: "Quantitative analysis of fragmented forest Landscape patterns resulting from timber harvesting practices"Proceedings of XXI IUFRO World Congress,Kuala Lumpur Malaysia (in press). (2000)
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[Publications] Masami Shiba (ed.M.Price): "Case study : Quantitative analysis of fragmented Landscape patterns resulting from timber harvesting practices in mountainous forested area"CAB International / CABI Publishing (in press). (2000)