1999 Fiscal Year Annual Research Report
海岸砂地における松枯れ被害跡地への広葉樹導入に関する研究
Project/Area Number |
11660150
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山中 典和 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 講師 (20202385)
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Keywords | 海岸砂地 / クロマツ林 / 松枯れ / シイノキ / タブノキ |
Research Abstract |
平成11年度は鳥取県の海岸砂地におけるマツ枯れ被害林分の植生調査と海岸砂地クロマツ林への広葉樹の導入調査を行った。マツ枯れ被害林分の植生調査に関しては鳥取県の海岸クロマツ林36ヶ所を選び植生調査を行った。その結果クロマツ林の上層に出現した広葉樹は、砂地上に成立するクロマツ林(砂クロマツ林)と森林土壌上に成立するクロマツ林(土クロマツ林)とで種組成や種数などに違いがみられた。土クロマツ林で出現率が高かったのはタブノキ、モチノキ、スダジイなどの常緑広葉樹であった。一方、砂クロマツ林で出現率が高かったのは、ハゼノキやヤマザクラなどの落葉広葉樹であった。土クロマツ林では植栽されたクロマツが枯死した後次第にシイ-タブ林へ移行していくと考えられる。砂クロマツ林は今後当面、上層に落葉樹が優占する広葉樹林へ移行すると考えられ、その後の土壌の変化によっては、シイ-タブ林が成立する可能性が考えられた。 また海岸砂地クロマツ林への広葉樹導入としては、鳥取大学乾燥地研究センター内のマツ枯れ被害林分を中心に、林分、ギャップ裸地砂丘の3ヶ所に1年生のスダジイとタブノキを植栽し、活着と初期成長およびそれに影響する環境要因について予備的調査を行った。植栽1年目の生存率はタブノキ、スダジイともに林内で約7割、ギャップで約3割、裸地砂丘では全て枯死した。また、ギャップにおいて苗木の活着に最も大きなマイナス要因となるのは土壌の乾燥であると考えられ、砂丘マツ枯れ後地に広葉樹を導入する際にはまず土壌の乾燥対策が重要であることが明らかとなった。
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