2000 Fiscal Year Annual Research Report
絶滅危惧種ハナガガシの成立環境および繁殖特性の解明と保全法の確立
Project/Area Number |
11660154
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 正博 宮崎大学, 農学部, 助手 (70315357)
野上 かん五郎 宮崎大学, 農学部, 教授 (10038242)
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Keywords | ハナガガシ / ツブラジイ / 林冠ギャップ / 土壌含水率 / 物質分配 / 地表撹乱 |
Research Abstract |
地形によって異なる資源量や撹乱体制が、ハナガガシの実生稚樹の成長および生残に与える影響を調べた。宮崎大学農学部附属田野演習林において、4つの微地形(頂部斜面、上部谷壁斜面、下部谷壁斜面、谷底面)の光環境、土壌水分環境と実生稚樹の成長、物質分配を調査し、ツブラジイとの比較した。頂部斜面は林冠ギャップ率が最も高く、株斜面ほど低かった。逆に土壌の含水率は谷底面で最も高く、上部斜面ほど低かった。実生稚樹の発生1年後の樹高は、両樹種とも微地形による差はみられなかった。また、2年目の樹高成長にも、微地形間の差は認められなかった。物質分配特性では、両種ともにギャップ率の低下に対応して葉の陰葉化が認められた。ハナガガシでは、含水率が低いほど直根が長くなっていた。また、葉面積/根重比が小さくなり、水分通導構造の改善が認められた。一方、コジイでは含水率の低下に伴う物質分配の変化は認められなかった。また、ハナガガシは微地形によって側根重が変化しており、地表撹乱の発生しやすい下部谷壁斜面で樹木の支持性を向上させていると考えられた。コジイではこのような変化は認められなかった。以上の結果は、土壌水分条件に対する耐性や地表撹乱の違いが両種の微地形的すみわけに関与していることを示唆していた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ito,S.,Matsuda,A.,Nogaini,K.: "Population Structure and dynamics of Quercus hondae Maikino 1. * structure and spatial distribution in a small catchment area."Proceedings of IAVS 2000 Nagaro. 130 (2000)
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[Publications] Yama shifa,T.,Matsuda,A.,Ito,S.& Nogami,K.: "Population Structure and dynamics of Quercus hondae Maikino 2.Topography constraints for seedling establishment"Proceedings of IAVS 2000.Nagano. 135 (2000)
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[Publications] Takagi,M.,Nakajima,N.,Ito.S.& Nogami,K.: "Population Structure and dynamics of Quercus hondae Maikino 3.Resource constraints for seedling growth and allocation in relation to Micro-geomorphology"Proceedings of IAVS 2000.Nagano. 134 (2000)