1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660158
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
小澤 修二 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (50204194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 大輔 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20281834)
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Keywords | リグナン / 生合成 / キタコブシ / O-メチルトランスフェラーゼ / モクレン科 / フロフラン型リグナン |
Research Abstract |
近年、リグナンの生合成研究は、立体化学的制御機構を解明する観点から徐々に知見が蓄積しつつある。本研究では、リグナン生合成反応の立体化学的機構の実体について精査するとともに、リグナン生合成の酵素系について、遺伝子レべルでの研究展開を図ることを目的としている。平成11年度は、主にフロフラン型リグナンの生成を検討した。まず、酵素反応の基質や標品として必要なラセミ体フロフラン型リグナン類を化学的または酵素的に合成するとともに、トレーサー実験に必要な安定同位体及び放射性同位体標識リグナンの合成を検討した。次にフロフラン型リグナンを特徴的に含有するモクレン属キタコブシを植物材料として用い、含有するリグナンのエナンチオマー組成を精査した。その結果、キタコブシ樹皮中に含有するピノレジノール、ユーデスミンおよびヤンガンビンは、いずれも光学的に純粋であり、一方、シリンガレジノールはほぼラセミ体であった。また、部位によりリグナンのエナンチオマー組成が異なる場合があり、同一のリグナンの生成においても立体化学的制御機構に相違があることが示唆された。さらに無細胞系でのトレーサー実験の結果、キタコブシにおける光学的に純粋な非フェノール性フロフラン型リグナンの生成に、エナンチオ選択的な新規O-メチルトランスフェラーゼが関与していることが示唆され、現在酵素的に検討中である。また、フロフラン型リグナンの配糖体化反応に関し、幾つかの植物を対象に研究材料としての適性を検討するとともに、この反応の立体化学的性質に着目し、アッセイ条件を検討した。
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