2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660162
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 滋彦 静岡大学, 農学部, 助教授 (40115449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名波 直道 静岡大学, 農学部, 助教授 (10291395)
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Keywords | 木質ボード / 接着剤 / ホルムアルデヒド / ストランドボード / PEG系接着剤 / 堆積時間 / 機械的性質 |
Research Abstract |
木質材料から放散されるホルムアルデヒドが、室内環境問題の一つとして取り上げられているなか、非ホルムアルデヒド系樹脂として開発されたPEG系樹脂に着目し、木質ボードへの利用適性を評価することを目的として、可使時間の影響とプリプレスを利用した成形加工条件の検討を行った。 ヒノキストランドに接着剤を塗布し、マット含水率が7%となるように乾燥させた後、ビニール袋に入れ放置した。放置時間を30分〜3ヶ月の範囲で9水準設定した。製造条件は、接着剤添加率10%、圧締条件180℃、12分、3.0MPaで目標密度0.65g/cm^3、寸法400mm×400mm×12mmとした。また、ヒノキパーティクルを原料とし、接着剤添加率9%とした。最終的に密度0.65g/cm^3、寸法140mm×120mm×3mmのボードを製造した。1次圧締でマットを厚さ6mmのマットに圧縮し、2次圧締で厚さ3mmのボードを製造した。この過程で、1次圧締温度と時間を変化させ1次圧締条件の検討を行った。比較用に圧締温度を変化させ、1回の熱圧締でのボード製造を行った。 放置時間の影響については、塗布直後に熱圧締したボードも、3ヶ月後に製造したボードも曲げ性能、はく離強さに差は認められなかった。本試験範囲内では、材質の低下は生じないと判断できた。また、成形加工条件については、50℃〜150℃までMORは上昇し、その後の強度上昇は認められないものの、圧締温度150℃以上では17MPa程度の値を期待できることが明らかとなった。 1次圧締温度が高いほど2次圧締後の材質は低下した。また、圧締温度100℃以上ではマット状態での硬化が始まるため、1次圧締温度は80℃が最適であるとの結論を得た。80℃で硬化させた樹脂の動的粘弾性を測定した結果から、ハンドリング可能で最も圧締時間の短い4分を最適1次圧締時間と定めた。上記の研究結果より、面材料としての木質材料への利用の他、成型加工製品への利用の可能性が示唆された。
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