2000 Fiscal Year Annual Research Report
北海道津軽海峡域のマコガレイ稚魚の摂餌に関する研究
Project/Area Number |
11660172
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 豊美 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40002349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 哲也 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助手 (50241378)
中谷 敏邦 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (80188979)
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Keywords | 津軽海峡 / マコガレイ稚魚 / 分布 / 成長 / 餌生物 / 摂餌 |
Research Abstract |
1.マコガレイ稚魚のハルパクチス目の捕食:5月から7月まで,函館湾七重浜沖水深5m前後と福島町岩部漁港内に生息するマコガレイ稚魚はハルパクチス目を主食としていた。ハルパクチス目の属組成は水域によって異なり,七重浜沖ではHalectinosoma sp.が,岩部漁港ではHarpacticus sp.が主に捕食されていた。いずれも雄に偏った捕食がみられたが,ハルパクチス目の雄成体が交尾のために雌を探して活発に動き回り目立ちやすいためと考えられた。 2.ハルパクチス目の空間分布:七重浜においてハルパクチス目は水深10m以浅の海底直上で豊度が高く,マコガレイ稚魚が餌として利用する5-6月に豊度のピークがみられた。従って,マコガレイ稚魚とハルパクチス目の分布は時空間的にほぼ一致していた。 3.エビジャコによる被食:七重浜沖において,エビジャコはマコガレイ稚魚を捕食していた。飼育実験の結果,エビジャコは主に夜間に稚魚を捕食すること,稚魚のみを餌として与えた場合,一晩で20個体以上を捕食することが明らかになった。また,3種類の餌を与えた場合,エビジャコは大型で目立ちやすく逃避速度が遅いアミ類Nipponomysis sp.を多く捕食し,次にマコガレイを捕食し,小型で捕食に時間がかかるナミノリソコエビHaustorioides japonicusはあまり捕食しなかった。従って,エビジャコによるマコガレイの捕食量は,環境中のアミ類などエビジャコにとって餌料価値の高い餌の豊度によって大きく変化することが予想された。
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