1999 Fiscal Year Annual Research Report
漁業種間漁獲努力量標準化のための漁獲性能評価手法の開発に関する研究
Project/Area Number |
11660184
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
東海 正 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (30237044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 夫祥 東京水産大学, 水産学部, 助手 (80293091)
酒井 久治 東京水産大学, 水産学部, 講師 (00205709)
松田 皎 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90026485)
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Keywords | 漁獲努力量 / 漁獲性能 / 漁獲効率 / 漁獲選択性 / CPUE標準化 |
Research Abstract |
過剰な状態にある漁獲能力を適切に削減するためには,各漁業種類ごとや漁船ごとの漁獲性能を評価する必要がある。一方,CPUE(Catch per unit effort,単位漁獲努力量当たりの漁獲量)は漁獲性能のみならず,時期や海域による資源の状態に依存する。そこで,魚種別時期別海域別CPUE資料からCPUEを標準化して,田内の漁獲性能指数を漁船別魚種毎に求めた。計算例として,沖秋底曳網漁船の魚種別漁獲性能指数を求めたところ,魚種によって,また漁法によって異なる値が得られた。カレイ類など底生性の強い魚種ではかけ廻し漁船の性能が高く,一方,スケトウダラやスルメイカなど遊泳力のある魚では二艘曳き漁船の性能が相対的に高かった。これは,かけ廻しと二艘曳きの漁具の構造や操業様式の違いによるものと考えられた。また,魚種毎に推定された年の効果は,漁獲性能や魚場,分布の違いを標準化した相対的な資源密度の変動を表していると考えられる。これらの結果は,魚種毎に決められたTAC(Total allowable catch,許容漁獲量)をそれぞれ満たすように漁獲するための漁法別努力量の配分間題を検討する材料となると考えられる。 また,この相対的な漁獲性能に含まれる漁獲選択性と漁獲効率を分けて検討するために,SELECTモデルを適切に利用できる努カ量の合算条件を検討した。この解析で各操業回のデータを合算できる条件は,体長組成が同じ,もしくは試験漁具と対象漁具の漁具数の比が一定である。さらに,この条件を満たさない場合のために,異なる分割率パラメータを設定した拡張SELECTモデルを開発した。これを5種類の目合(網目内径21.0,18.1,15.5,13.6,11.6,mm)のかご網によるマアナゴ漁獲試験操業実験の資料に適用して,漁獲選択性と相対漁獲効率を求め,適切な選択性を求めることができる。
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Research Products
(1 results)