1999 Fiscal Year Annual Research Report
β-カロチン大量添加餌料による養殖魚の無投薬飼育に関する研究
Project/Area Number |
11660192
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
橘 勝康 長崎大学, 水産学部, 助教授 (20171712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 研治 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039737)
野崎 征宣 長崎大学, 水産学部, 教授 (90039727)
槌本 六良 長崎大学, 水産学部, 教授 (20080525)
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Keywords | β-カロチン / ウイルス感染 / マダイ / 無投薬 / リンパ球 / 抗生物質 / 抗菌剤 |
Research Abstract |
養殖魚に対するβ-カロチン大量投与無投薬飼育のため、β-カロチン及びアスタキサンチンをマダイ用モイストペレットに添加し,カロチノイド強化餌料を製作し,保存方法とその安定性を試験した。また,作成したβ-カロチン強化モイストペレットを用いて無投薬条件でマダイの海面養殖試験を平成11年8月21日から同年12月18日までの119日間まで行い,生存率,体長,血液及び飼育終了時の脾臓リンパ球の幼若化を用いた免疫防御能を測定した。 マダイ用モイストペレット中のβ-カロチン及びアスタキサンチンの安定性を比較すると,モイストペレット中ではβ-カロチンがアスタキサンチンより安定であった。またその保存方法は,作成したモイストペレットをポリエチレンバッグに入れ,窒素置換し冷凍する方法が最も良かった。 マダイの海面養殖試験の飼育終了時における生残率は,強化を行わなかった対照区では約80%であったのに対し,β-カロチン強化区では約90%と高い生残率を示した。両区の成長にはβ-カロチン強化による有意な差を認めなかった。血液値では,ヘマトクリット,ヘモグロビン,血清タンパク質量ともβ-カロチンの強化の有無に関わらず良好な値を示した。マダイ脾臓リンパ球をConA100μg/mlとPWM20μg/mlで培養し幼若化をみたところ,β-カロチン強化区は対照区に比べそれぞれ約3倍,約4倍と有意に高い幼若化を示した。
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