1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒメジの触鬚における味蕾と神経分布および触鬚神経の中枢への投射
Project/Area Number |
11660194
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清原 貞夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (50117496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 潤三 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20008923)
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Keywords | 味蕾 / 味覚神経分布 / 味覚 / 顔面葉 / 局在構築 / ヒメジ |
Research Abstract |
ヒメジ科の魚の味蕾の神経支配様式は高度に組織化されていることが判明した。触鬚神経から触鬚の基部から先端にかけて生じる縦軸神経束が機能的に一つの単位である。この神経束には味蕾を支配する約90本の線維が含まれ、そのすべてが触鬚の遠位-近位軸のある高さの環状面に存在する約56個の味蕾を支配する。即ち、縦軸神経束の中の個々の神経線維は、上皮中の味蕾に達するまでに何度も分岐を繰り返し、最終的に56個の味蕾を支配することになる。味覚神経線維には触覚と味覚に感ずる二種類の線維が存在するので、おそらくヒメジは触鬚のある環状面に存在する味蕾の機械刺激と味覚刺激に鋭敏に応答し、砂泥中やその表面の餌を正確に感知し摂取していると推察される。 この魚の味覚中枢で特に顔面葉が発達し、その表面は皺を呈し、中に複雑に走る小葉が形成されている。各小葉には明瞭な層構造が存在し、顔面葉の大半は触鬚からの投射を受けることが判明した。おそらく、触鬚のある高さに終わる縦軸神経束が皺と層構造を呈する顔面葉に局在的に投射していると推察される。今後この機能的単位の縦軸神経束がどのような味覚と触覚情報を送るか生理学的に検討していく予定である。
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Research Products
(2 results)