1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11660206
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 孝 九州大学, 農学部, 教授 (10038292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 喜隆 水産大学校, 食品化学科, 教授
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Keywords | 生体内過酸化 / 過酸化脂質 / ヒドロキシン脂質 / 肝臓 / 株化細胞 / 魚 / 蓄積 / 活性酸素 |
Research Abstract |
酸化的(活性酸素発生)ストレスを受けた生体中の脂質過酸化の実体を明らかにするために、HPLC法(過酸化脂質、ヒドロキシ脂質の微量定量)やGLC法(脂肪酸分析)等を用いて研究した。 その結果、(1)健康魚の過酸化脂質(L-OOH)レベルは普通筋で50nmol/g tissue以下、血合い肉、肝臓では150nmol/g tissue位であること、(2)致死的に魚(ハマチ)を運動させると、普通肉ではあまり変わらないが、血合い肉、肝臓でのL-OOHレベルが上昇するすること、(3)養殖魚(ハマチ、マダイ、マユ)は天然魚に比べ、L-OOH特にヒドロキシ脂質量(L-OH)が高いこと(4)傷病魚(ブリ、マダイ、フグ)の肝臓で顕著にL-OOH,L-OH量の増加が確認された。また、ウィルス(PRDV)感染クルマエビでは、肝膵臓の高度不飽和脂肪酸の割合が減少し脂質酸化が確認された。さらに、テラピア肝株化細胞(Hepa-T1)にラジカル発生剤(AAPH)を投与すると、L-OOHならびにL-OH量が増加し,生魚の肝臓と同様の結果が得られた。 以上の様に、生魚や株化細胞を用いて酸化的ストレスとL-OOH,L-OHの蓄積の状況が確認されたので、今後は生体内に生じるL-OOH、L-OHの種類,生成・代謝経路を生体の抗酸化機構と絡めて研究を進めていくことを計画している。
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Research Products
(1 results)