1999 Fiscal Year Annual Research Report
現代東アジア食糧・農業問題調整システム構築に関する研究
Project/Area Number |
11660211
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 昭彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00073966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鎌 邦雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40292255)
冬木 勝仁 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00229105)
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Keywords | 東アジア経済危機 / 中国 / 食糧需給 / 経済成長 / 農地法制 / ベトナム / コメ輸出 / 外資導入 |
Research Abstract |
本年度に行った調査・研究の内容は以下の通りである。 (1)東アジア諸国の食糧問題に関して大きな位置を占める中国の経済発展と農業構造・食糧供給の概要について、文献の収集と翻訳・整理を行った。 (2)通貨危機発生以降の東南アジア及び東北アジア経済と農業構造について、文献の収集を行うとともに、研究会を開催し、現状についての共通認識を得た。 (3)東南アジアにおける農産物貿易と農業構造、経済成長との関わりを探るために、ケース・スタディーとしてベトナムをとりあげ、現地調査を行った。 その結果、以下の点が明らかとなった。 (1)現段階の中国における食糧需給については、逼迫状況が差し迫っているわけではないが、経済成長及びそれに伴う消費構造の変化・拡大(食肉需要の増大とそれに伴う飼料需要の増大)、農村労働力の都市への移動、農地の荒廃(社会的要因、自然環境的要因)などにより、必ずしも安定しているわけではない。 (2)また、中国はWT0加盟を視野に入れ、農業の効率化を図ろうとしているが、農地法制が未整備なために農業経営の規模拡大が進まず、生産性の向上が必ずしも進んでいない。 (3)ベトナムについては、ドイモイ政策以降にコメ輸出を急増させたが、それが必ずしも農民所得の増大に結びついていない。その要因は、コメの品質が低い、国際的な商取引に未熟なため交渉力が弱い、などである。 (4)そのため、ベトナム政府は農産物輸出の高品質化を図ろうとし、外国企業を積極的に受け入れ、国際的な商取引のノウハウ、資金、マーケティング・チャネルを獲得しようとしている。
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Research Products
(1 results)