2000 Fiscal Year Annual Research Report
日本型フードシステムの災害耐性に関する"総合的"研究:平成5年「米騒動」の「記録化」をを通して
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11660229
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
樋口 貞三 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50003752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下渡 敏治 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00120478)
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Keywords | 平成5年大冷害 / 平成5年米騒動 / フードシステム / 稲作農家の米購入行動 / コメ無償譲渡行動 / 生協の混乱回避行動 / コメ緊急輸入 / 危機回避の僥倖性 |
Research Abstract |
1.前年度に行った岩手県認定農業者約4千戸に対するアンケートの補充として、その中からさらに「自家飯米不足」農家120戸を抽出し、第二次アンケートを実施した。また、青森県十和田市の二集落(赤沼、七郷)について、冷害時のコメ貯蔵形態についてのアンケート調査を実施した。サンプル数は赤沼・七郷の合計で、122戸であった。なお、回収率は岩手県75%、十和田市68%、とかなり高い回収率を得た。 2.農家の米購入行動メカニズムをミクロレベルで検証可能にする新データを発掘することができたことが大きな成果であった。それは断片的ではるものの、食糧庁『生産者の米穀等現在高調査』の元帳である個別農家の「月別調査票」であり、それによって稲作農家の米購入諸動機、とりわけ無償譲渡慣行の意義が明らかとなった。 3.岩手生協でのヒアリングから、貴重な綴りを利用する機会が得られ、生協の綿密な行動計画が「災害耐性」の強度を高めていることが明らかとなった。しかし、月別コメ卸データによるかぎり、生協組合員のコメ購入行動は、一般米屋でのコメ購入行動にくらべ、冷害災害情報への対応早さが認められる。 4.青森県十和田市及び岩手県盛岡市内米穀卸・小売店でのヒアリングを行い、従来の新聞などのマスコミ情報とかなり異なる新規情報及び資料を得ることができた。 5.農林水産省貿易関税課、食糧庁加工食品課、東京食糧事務所、横浜食糧事務所などでのヒアリングと資料収集を行い、平成5〜6年の緊急輸入次における政府対応、コメの国際需給状況の把握法、輸入商社、船舶業者、倉庫業者、荷役業者、運輸業者の政府要請に対する反応、緊急輸入に関しては食管制度の意義と問題点、等について重要な知見と資料を得ることができた。
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Research Products
(2 results)