2000 Fiscal Year Annual Research Report

透水型ロックフィルダムの水理学的・力学的設計法の開発

Research Project

Project/Area Number	11660238
Research Institution	NIIGATA UNIVERSITY
Principal Investigator	森井俊廣新潟大学, 農学部, 助教授 (30231640)
Keywords	透水型ダム / ロックフィル / 非線型流れ / 水頭損失式 / 水位流量曲線 / 有限要素法 / 設計法
Research Abstract	本研究は,乾燥地や半乾燥地地域で治水,あるいは水資源確保の目的で建設される透水型ロックフィルダムを対象に,その水理学的・力学的設計法を開発することを目的とする.第1年度(平成11年度)でロックフィルを通る流れの水頭損質特性を,第2年度(平成12年度)でロックフィル構造物の通水性能の予測方法と水理学的設計手法を検討した.研究成果を以下に要約する. まず,河川礫を用いた一次元透水試験により,動水こう配と流速の非線形な関係をForchheimer式により表した.これによりえられた水頭損失式では,水温の影響を,水の動粘性係数を介して適切に考慮することができる.また,水頭損失式を記述する非線形係数を間隙の水理学的平均径の関数としてモデル化した.これにより,ロック材の材料特性と構造物の間隙条件から決定される水理学的平均径を唯一のパラメータとして,ロックフィル構造物の水頭損失特性を調べることが可能となった.ここで求めた水頭損失式の妥当性を,室内水路模型実験ならびにFEMにもとづく数値計算により確認した.構造物を通過する流量,堤体内における流れの状況のいずれも,一次元透水試験によって求めた水頭損失式により良好に推定することができた.小型の模型から実規模大までの規模の異なる透水型ロックフィル堤体を対象に,水位流量曲線の特徴を調べた.堤体を通過する流量が水位とともに累乗的に増大すること,またこの水位流量関係に対し水温の影響はまったくなく,これを水理学的な設計因子として考慮する必要がないことを示した.これらの水位流量曲線に対し,有効動水こう配を導入することにより,堤体の規模に依存しない統一的な水位流量曲線をえることができた.これにより,堤体の規模や形状を取り込んだ簡易な水理学的設計法の構築が可能であることを明らかにした.

Research Products

(10 results)

All Other

All Publications (10 results)

[Publications] 森井俊広: "ロックフィル材を通る非線形浸透流れの解析"平成11年度農業土木学会大会講演会講演要旨集. 616-617 (1999)
[Publications] 森井俊広: "ロックフィル構造物を通る流れの水頭損失特性と水位流量式"農業土木学会平成11年度応用水理研究部会講演集. 29-36 (1999)
[Publications] 森井俊広: "水路実験による透水型ダムの通水特性の評価"新潟大学農学部研究報告. 52・2. 129-138 (2000)
[Publications] 森井俊広: "ロックフィルを通る流れの非線形水頭損失特性"農業土木学会論文集. 206. 63-71 (2000)
[Publications] 森井俊広: "ロックフィル構造物の通水性能の評価"農業土木学会論文集. 206. 73-81 (2000)
[Publications] 森井俊広: "ロックフィル構造物を通る非線形流れのモデル化"平成12年度農業土木学会大会講演会講演要旨集. 180-181 (2000)
[Publications] Morii,T.: "Evaluation of flow transmissibility of rockfill structures."Proceedings of the 4th International Conference on Hydro-Science and Engineering.. 160-170 (2000)
[Publications] 森井俊広: "論文をかにる-ロックフィルを通る流れの非線形水頭損失特性,ロックフィル構造物の通水性能の評価-"農業土木学会誌. 68・10. 58-60 (2000)
[Publications] Morii,T.: "Evaluation of flow transmissibility of through flow rockfill embankment using effective hydraulic gradient."農業土木学会平成12年度応用水理研究部会講演集. 27-35 (2000)
[Publications] Morii,T.: "Modeling and parameter estimation of non-linear flow through rockfill structures."Proceedings of the 10th International Conference on Computer Methods and Advances in Geomechanics.. 2. 1795-1800 (2001)

2000 Fiscal Year Annual Research Report

透水型ロックフィルダムの水理学的・力学的設計法の開発

Principal Investigator

森井 俊廣 新潟大学, 農学部, 助教授 (30231640)

Research Products

[Publications] 森井俊広: "ロックフィル材を通る非線形浸透流れの解析"平成11年度農業土木学会大会講演会講演要旨集. 616-617 (1999)

[Publications] 森井俊広: "ロックフィル構造物を通る流れの水頭損失特性と水位流量式"農業土木学会平成11年度応用水理研究部会講演集. 29-36 (1999)

[Publications] 森井俊広: "水路実験による透水型ダムの通水特性の評価"新潟大学農学部研究報告. 52・2. 129-138 (2000)

[Publications] 森井俊広: "ロックフィルを通る流れの非線形水頭損失特性"農業土木学会論文集. 206. 63-71 (2000)

[Publications] 森井俊広: "ロックフィル構造物の通水性能の評価"農業土木学会論文集. 206. 73-81 (2000)

[Publications] 森井俊広: "ロックフィル構造物を通る非線形流れのモデル化"平成12年度農業土木学会大会講演会講演要旨集. 180-181 (2000)

[Publications] Morii,T.: "Evaluation of flow transmissibility of rockfill structures."Proceedings of the 4th International Conference on Hydro-Science and Engineering.. 160-170 (2000)

[Publications] 森井俊広: "論文をかにる-ロックフィルを通る流れの非線形水頭損失特性,ロックフィル構造物の通水性能の評価-"農業土木学会誌. 68・10. 58-60 (2000)

[Publications] Morii,T.: "Evaluation of flow transmissibility of through flow rockfill embankment using effective hydraulic gradient."農業土木学会 平成12年度応用水理研究部会講演集. 27-35 (2000)

[Publications] Morii,T.: "Modeling and parameter estimation of non-linear flow through rockfill structures."Proceedings of the 10th International Conference on Computer Methods and Advances in Geomechanics.. 2. 1795-1800 (2001)

森井俊廣新潟大学, 農学部, 助教授 (30231640)

[Publications] Morii,T.: "Evaluation of flow transmissibility of through flow rockfill embankment using effective hydraulic gradient."農業土木学会平成12年度応用水理研究部会講演集. 27-35 (2000)